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俗流
「俗流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「読書法」より 著者:戸坂潤
念論及び不可知論・フランス唯物論・ドイツ古典哲学・弁証法的唯物論・ヘーゲル以後の
俗流唯物論や観念論諸流派・を取り扱う。本書の近代はその歴史が複雑である割合に叙述....
「涼味数題」より 著者:寺田寅彦
をまた最も優良なる候補者として推薦する町内の有志などの顔がそれである。しかしまた
俗流の毀誉を超越して所信を断行している高士の顔も涼しかりそうである。しかしこの二....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
なかった。 多四郎の不純な恋に対する、憤りのようなものが湧いて来た。 「浮世の
俗流というものは全くもって始末が悪い。天狗の甲冑を盗むばかりか、乙女の心臓をさえ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
!」 「ほんとにうるそうございますねえ」 「じっくり研究さえさせてくれない。全く
俗流という奴は、鼻持ちのならない厭な奴だ。好奇心ばかり強くてな。そうしてそいつの....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
像する処とは異って、アカデミー――高踏化――であるよりも、寧ろジャーナリズム――
俗流化――であることは、実際問題として特に注目に値する。 科学の高踏化、改めて....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
とは何か、それは大衆化の外ではない。 ジャーナリズムは普通、通俗化・啓蒙・又は
俗流化とさえ考えられている。ブルジョア・ジャーナリズムならば、確かにそういう規定....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
に就いても実証される。処が例えばブルジョア的大衆化は何かと云えば、つまり卑俗化・
俗流化のことでしかない。大衆化のブルジョア的概念が、それ以外の分析をなし得ないの....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
い不利益であるだろう。吾々はオストヴァルトのエネルゲティークやヘッケルの進化論的
俗流宇宙論に対して、それが観念論であろうと唯物論であろうと、正に外ならぬ自然科学....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
この食い違いは様々な形で現われる。多少時代の経った場合を例に取るなら、十九世紀の
俗流唯物論者によって代表される科学説がそれで、そこでは範疇組織のもつ論理としての....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
の充分な原因を述べたことにはならぬ。脳物質は決して意識そのものではないのだから、
俗流唯物論風に発生を即断することは出来ないわけだ。 で要するに今日まで、意識が....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
、「哲学」に対する、「論理」に対する、愛の薄情であることか! 社会科学に於ける
俗流と本物との区別は、世間で見分け方を知らない者のいない程常識化しているから、問....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
もその時、講義がその学術的価値を保てるかどうか、寧ろその被覆のない真価を暴露して
俗流の講話の段階に堕するものがないかどうか、それは保証の限りではないが。――この....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
ンティスムなどがそれで、而もこのシャンティスムは云わば十八世紀や又寧ろ十九世紀の
俗流唯物論に甚だ近いものだから、現在の文学主義に対抗する野次としては間が抜けてい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
市《いち》が立っていた。ただ役者がその役目を変えてるだけだった。往時の革命者らは
俗流の人となっていた。往時の超人らは流行児となっていた。昔の独立者らは現在の独立....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
んな物にも挫けない。選ばれた人の運命は、大方悲劇に終るものであった。それは浮世の
俗流に対して、覚醒の鼓を鳴らすからで、たとえば遠い小亜細亜の、猶太に産れた基督が....