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俗物
「俗物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ゅんすい》を出そうかと存じております。先生はお嫌《きら》いでございますが、やはり
俗物にはあの辺が向きますようでございますな。」
「ははあ、さようかね。」
馬琴....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
旨い好々爺《こうこうや》だった。由来西洋人の教師《きょうし》と云うものはいかなる
俗物にも関《かかわ》らずシェクスピイアとかゲエテとかを喋々《ちょうちょう》してや....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
力も薄らいで来るのだった。豹一の魅力をほんとうに味うためには、彼女には、やはり「
俗物」とまじわることが必要だった。彼女はもう一度返り咲きすることを想った。むろん....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
うして、自然の恩恵を無条件に受け入れて楽しむものを、あるいは素人と云い、あるいは
俗物と嘲っているのである。こう云うのはあながちに私の負け惜しみではあるまい。(昭....
「小公女」より 著者:菊池寛
らな。」 カアマイクル氏は、肩をすぼめました。 「何しろ、あの女は抜目のない、
俗物のフランス女ですからね。父親を失って、仕送りの絶えたあの子を、うまい具合に手....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
などとほざいたんだがすぐに彼自身で、それを嘘だと告白しているのだ」 「嘘……あの
俗物が、どうして冗談じゃないぜ」 と検事は、いっこうに解せぬ面持だったが、法水....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
しきっている。漢詩人ならば秋雨|蕭々とか何とか歌うべきところであろうが、我れわれ
俗物は寒い方が身にしみて、早く酒でも飲むか、温かい物でも食うかしなければ凌がれな....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
青島登場。 花田 (指をぽきんぽきん鳴らす癖がある)おまえたちは始終俺のことを
俗物だ
俗物だといっていやがったな。若様どうだ。 瀬古 僕は汚されたミューズの女....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
ろう。 そんな無駄なお喋りを、信吉がペラペラと続けていたのは、実は薄井を本来の
俗物の地位まで、自分と共にひきずり下したいという天邪鬼からであった。 「――それ....
「我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
る。そうして自然の恩恵を無条件に受入れて楽むものを、あるいは素人といい、あるいは
俗物と嘲っているのである。こういうのはあながちに私の負惜みではあるまい。(昭和十年五月)....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
夕暮になってしまった。尊者は大いにその疑念を氷解していわれますには「いやこの辺の
俗物が俗な考えから種々な説を捏造したのである。全くあなたは信実に仏教を求める方で....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
ところなく、ただもうわけもなく喜悦し、この珍風景に縁なき徒輩たちを指しては妄りに
俗物として、無風流の誹謗を真向から浴びせかけるというわけで、まことに苦笑禁じ得な....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
まで、私は陛下に、一書記として奉仕することに満足を感じてきましたが、しかし一個の
俗物として、あるいは一個の奴隷として奉仕するのは絶対に御免蒙りたい」 書いている....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
しました。禅僧の謹厳な様子に、感心すると思いの外、老婆は大変怒りまして「思いの外
俗物の僧を永らく優待していた。わたしは見込み違いをしていた」と言って、その僧を追....
「食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
理が生きもし、死にもする。気の利いた人がやると、気の利いた線が庖丁の跡に現われ、
俗物がやると俗悪な線が残る。これは単に、刺身庖丁が切れるとか切れないとかいうこと....