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「俗縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俗縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
われた。殊にこの寺は関白の建立《こんりゅう》で、それをあずかる隆秀阿闍梨は兼輔が俗縁の叔父であるから、忠通が彼の法会をここで営むのは誰が眼にもふさわしいことであ....
高野聖」より 著者:泉鏡花
、これはお前様ではないぞ、何でもはじめからそこなお坊様に目をつけたっけよ、畜生|俗縁《ぞくえん》があるだッぺいわさ。) 俗縁は驚《おどろ》いたい。 すると婦....
二人の友」より 著者:森鴎外
国寺さんは小倉の寺を人に譲ったが、九州鉄道の豊州《ほうしゅう》線の或る小さい駅に俗縁の家がある。それを見舞いに往くと云うことであった。 安国寺さんの立った跡で....
堺事件」より 著者:森鴎外
空屋に八人を合宿させた。横田一人は西へ三里隔たった有岡村の法華宗真静寺の住職が、俗縁があるので引き取った。 九人のものは妙国寺で死んだ同僚十一人のために、真静....
源氏物語」より 著者:紫式部
ののように思って、尼になっていながらこの世への未練をお見せするようなものである、俗縁のあった方に惜しんで泣いていただくのはともかくもだがというような意味を、肱《....
源氏物語」より 著者:紫式部
で今日すぐに尼の家を訪ねることになるかもしれぬ。夢のような再会を遂げるその時に、俗縁の親しみを覚えさせるのがよいかもしれぬと思ったのかもしれない。その人とわかっ....
「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
たのは事実で、それが鄭重に黒檀の箱に納められ、洞窟の中に安置され、更に鉄柵を以て俗縁を断たれて、秘仏として礼拝されているのである。 この秘仏は、永劫不可見のも....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
を去りあるいは山深く庵《いおり》を結び、あるいは市街にありても僧《そう》となりて俗縁を断ったものが、文字どおりにこれを実行したるに過ぎなかった。 普通一般の人....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
日蓮宗の寺である。この寺の先々住の日照というが椿岳の岳母榎本氏の出であったので、俗縁の関係上、明治十七、八年ごろ本堂が落成した時、椿岳は頼まれて本堂の格天井の画....