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俗言
「俗言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
俗言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
に易々《やすやす》と得られたことが、私にとって意外であった。窮すれば通ず、という
俗言をさえ、私は苦笑しながら呟いたものであった。もはや、私は新進作家である。誰ひ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
より、老実なる父老あるいはこれを驚聞して国体に傷害ある邪説と目するに至る。けだし
俗言は耳に入りやすく高談は世に容れられがたし、利害を棄て毀誉を排しもって真理を明....
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
つぐ》むよりしようがあるまい。長いものに捲かれろという言葉もある。いや、さような
俗言を藉《か》らずとも、先は殿だ。何のおれに、恨みがましい気持ちがあってなるもの....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
おか》しい、これは珍しやと申して一同一座の興を催しましたが、その国でそれからこの
俗言が流行《はや》りますと年始状の尚々書《なおなおが》きに申して上せましたくらい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
く、 源ちゃんと言っても 返事がない お嫁さんでも 取ったのかい―― という
俗言が、ある地方には存在している。それを米友が思い出したから、ガラになくこの際応....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
(代匠記精撰本)というのが第一説で、古義もそれに従った。鈴屋答問録に、「ほと」は
俗言の「あわ(は)てふためく」の「ふた」に同じいとあるのも参考となるだろう。それ....
「辞書」より 著者:折口信夫
引き方に二つの方法がある。擬古文を書く初歩の人が使う字引きとして、「雅言俗解」「
俗言雅訳」といった種類のものがある。いまの語から古い語、あるいは古い語を出して、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
馬|甚句《じんく》にいう。男寝て待つ果報者――それは武士達のあいだには通用しない
俗言とみえて、こんなに朝早くから陸続と道場の門をくぐっているのだ。
竹刀のひび....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
だね。あの『万葉』の東歌だ。あれなどもその時代の教養人が、遠国にいて、その地方の
俗言を取り入れたものだ。ただ名もなく教養もない人々の手で、いわゆる素朴と直情だけ....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
は兵馬を用意し、紙幣下落すれば金銀貨を求め、貿易の盛衰をみては関税を上下する等、
俗言これを評すれば掛引《かけひき》の忙わしきものなるがゆえに、もしも国の学校を行....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
。 水仙《すいせん》の花は早春に咲く。すなわち地中の球根《きゅうこん》(球根は
俗言《ぞくげん》で正しくいえば襲重鱗茎《しゅうちょうりんけい》)から、葉と共《と....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
の言行の高尚なるにかかわらず、品行の一点においては、不釣合に下等なる者多くして、
俗言これを評すれば、御座《ござ》に出されぬ下郎《げろう》と称して可なるが如し。花....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
た。彼は凱陣の家土産として百人の捕虜を牽いて来た。飛騨の国人は驚異の眼を以て、風
俗言語の全く異れる蒙古の兵者を迎えた。 彼が捕虜を牽いて来たのは、単に其功名を....
「三国志」より 著者:吉川英治
色に出ている。 「先生の言を聞いておると、他人の立場はどうにでもいえる――という
俗言が思い出される。いわるる如くならば、なぜ先生の主、劉予州にも降服をすすめられ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
題に弘いもので、心の俳諧以外に形の俳諧だの言葉の俳諧だのを認め、単に用語が今風の
俗言でありさえすればもうそれで宜しいようにしていたが、そうして見たところがやはり....