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「俘虜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

俘虜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球を狙う者」より 著者:海野十三
サチ子はさもおかしそうに、声をたてて笑った。 「あははは。とうとう僕も火星の俘虜《とりこ》になってしまったようですね。しかしこのような絶海の孤島で、あなたが....
乱世」より 著者:菊池寛
祭に、七人の長州人を斬ったことがござるじゃろう。あれは、桑名藩が蛤門の戦で捕えた俘虜だった。あれを長州人はひどく恨んでいるそうじゃから、あの轍で、征東の宮が伊勢....
海底大陸」より 著者:海野十三
ぐさま、こう伝えろ。海底超人の王子ロローなるものが、いま本船の左舷後方にいるから俘虜にするように、と打電するんだ。すぐやるんだぞ」 「心得ました」 パイクソン....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
みえるだけに、……秘密の、深い深い底をのぞき知ろうとする、彼はいま完全に好奇心の俘虜。 「折竹さん、海獣とばかり交際ってて、あたしを忘れちゃ駄目だよ。一度、ぜひ....
骸骨館」より 著者:海野十三
ていったらどうだ」 「ばかをいってら。誰がそんなことで死ぬもんか。僕の方が骸骨を俘虜にしてお土産に持って来てやるよ」 勇ましいことばを残して正太君はへいの破れ....
地球要塞」より 著者:海野十三
《めぐ》らせば、今オリオン星座が、水平線下に没しつつある。私は、暫く、星の世界の俘虜《とりこ》となっていた。 階段を駈けあがってくる足音が聞えた。 オルガ姫....
火薬船」より 著者:海野十三
こうの寺院みたいなものが見えらあ」 「ふん、あれはノートル・ダムだろう。おれたち俘虜ども一同そろって、はやく武運をさずけたまえと、おいのりにいこうじゃないか」 ....
怪塔王」より 著者:海野十三
おしくないが、このような秘密基地のあることを、わが海軍に知らせるまでは、死んだり俘虜になってはいけない」 このとき小浜兵曹長は、海岸に翼をぶっつけて壊れてしま....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
というのに、わざわざ真夜中をえらんだのは、なぜか。 監禁囚人はもちろん、大事な俘虜杉田二等水兵や、カワカミの容疑者などを、同じ船にのりこませたのは、なぜか。 ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
浮いて来た。どうした機か、ふと革命党が自分であるように思われた。未荘の人は皆彼の俘虜となった。彼は得意のあまり叫ばずにはいられなかった。 「謀反だぞ、謀反だぞ」....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
取り巻かれて、昨夜運命を、船と共に決したとばかり思われたグレプニツキーが、無残な俘虜姿をさらしているのだ。 首には、流木の刺股をくくりつけられ、頭はまた妙な格....
光は影を」より 著者:岸田国士
ット・ユアンは、フランス人と安南人との混血児で、いわゆるメチスの娘なのだが、彼が俘虜生活をはじめてから、ふとした機会に言葉が通じたのがもとで、やがて、ずるずると....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
縄抜けの法は泥棒ばかりでは有りません。御武家でも覚えて置いて好いと思います。敵に俘虜に成った時に、役に立ちますからね」 肥満したお鉄の豊かな肉に喰入る本縄の緊....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
なされたが、エセックスの心中はなお穏やかではなかった。――一つの戦利品も、一人の俘虜も、彼は持たないのだった。が、彼は、雑作なく取れる島が、もう一つあることを教....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
その素性が彼らの公民たるにおいて、なんらの妨げをなしていることはありません。ある俘虜の子孫であろうなどという人もありますが、これまた決して事実ではありません。現....