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保全
「保全〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
保全の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
疲れると、よく私は家を飛出して、そこいらへ気息《いき》を吐《つ》きに行った。大久
保全村が私には大きな花園のような思をさせた。激しい気候を相手にする山の上の農夫に....
「如是我聞」より 著者:太宰治
多少でも信頼を得ている最後の一つのものは何か。知りつつ、それを我が身の「地位」の
保全のために、それとなく利用しているのならば、みっともないぞ。 教養? それに....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
建築の耐久性を示す注目すべき実例である。これらの建物は十二世紀の間事実上そのまま
保全せられていた。古い宮殿や寺の内部は惜しげもなく装飾を施されていた。十世紀にで....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ほかでもないと言って、この国の君主、皇族、および全日本朝廷の健康と幸福と繁栄とを
保全せらるることを祈る外臣が誠実の心をいたすにほかならないと申し上げた。以前の謁....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
から起こって来るが、仏徒たりとも神国の神民である以上、神孫の義務を尽くして根本を
保全しなければならぬ。その義務を尽くすために神道教導職の一端に加わるのは、だれが....
「惜別」より 著者:太宰治
老憊の清国政府を打倒し漢民族の新国家を創造し、以て列国の侵略に抗してその独立性を
保全すべしと叫んで学業を放擲し、直接革命運動に身を投ずる者も少くなかった。自分も....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
えて彼これその詮索をなすを欲せず、かばかりにロマンティックな語りぐさをいつまでも
保全して、徒なる解釈をこれに試みたくないと思う。 更に今一つの伝説を語らば、二....
「函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
には国民の安寧を脅かす各種の災害に対して、それぞれ専門の研究所を設けている。健康
保全に関するものでは伝染病研究所や癌研究所のようなもの、それから衛生試験所とか栄....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
しょうそく》することを乞《こ》いのみまつったのである。かくして民族の安寧と幸福を
保全することが為政者の最も重要な仕事の少なくも一部分であったのである。 この重....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
々心を取り失うとはちょっとどうも受け取れないことだ。事実脳が弱いのかそれとも明哲
保全の策か? ……これは一つ試して見よう」 ある日にわかの殿の仰せで、弓射の試....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
総称である打抜き綴じという風がいいわけ)角背を俗に南京(ナンキン)と呼ぶ。角背は
保全上と開きの点に難があるが、視形としてはキッカリとした角形を成すので、そういっ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は、ひとり政治の上に存するのみならず、百事百物の上に存するなり。人もしその生命を
保全せんと欲せば、身体を養うと精神を養うと同等に必要なることを知らざるべからず。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
い体質もまた、訓練養生によって強壮に向わせることも出来ますし、常に心を配ってその
保全を図ればよろしい。いわんや両親から伝染した病気などは医療によって容易に除けま....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
測すると、ヤマトの朝廷の勢威の増大するにつれて、諸小国の君主はその地位と領土とを
保全するためには、みずから進んでそれに帰服するものが多かったと考えられる。かれら....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
去せられず候いては、たといいかに彼らが蓄財し、清潔なる生活をなし、よくその健康を
保全し、その生活を向上せしめたりとて、依然として彼らは、救済せられたる特殊部落、....