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保温
「保温〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
保温の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「嘘」より 著者:太宰治
張しました。 私は下駄をつっかけて土間へ降り、無言で鶏小屋へ案内しました。雛の
保温のために、その小屋には火鉢を置いてあるのです。私たちは真暗い鶏小屋にこっそり....
「海底都市」より 著者:海野十三
。身体にぴったりとついていて、しかも伸《の》び縮《ちじ》みが自在《じざい》です。
保温がよくて風邪もひかず、汗が出てもすぐ吸いとります。そして生まれながらの人間の....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ないから、僕たちは下りられないだろうね」 「それは心配ない。空気タンクを背負い、
保温衣を着て下りていけばいい」 「なるほど、しかしわれらの究極の目的地は火星より....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
るから、みなさんは、べつに手をつけなくてよろしい。つまり、その仕掛けというのは、
保温装置や、酸素送出器は自動的にはたらいてくれます。照明装置や、小型電機などもつ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。しかし、この女を暖めるためには、そのくらいの労力や才覚は何でもない、つとめて
保温を完全にして、今夜一晩の、この娘の歓心を買うことにつとめなければならない。そ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
月に此花にほふとしも多かり」とあるとおりであろう。私は、昭和十年十一月すえに伊香
保温泉で木萩の咲いて居るのを見た。其の時伊香保の山には既に雪が降っていた。また大....
「風景」より 著者:豊島与志雄
どこかに、隅の方に、奥の方に、柔かな特別の色合のものがありはすまいか。いつも暖く
保温されてるものがありはすまいか。大事に錠がおろされていながら、いつでもすぐに開....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
庭念流を尻目に天下一の名人千葉周作の名を宣伝してまわった。あげくに千葉一門は伊香
保温泉へ赴き薬師堂へ額を奉納したのである。 念流の人たちは千葉一門の行動をかね....
「発明小僧」より 著者:海野十三
入替ウルモノトス。斯クシテ完全ニ蒸焼サレタル芋ハ、蓋ヲ取去リテ取出シ、蓋ニ具ウル
保温室内ニ常ニ
保温セシメ置クモノナリ。 以上ノ如クナルヲ以テ、芋ヲ焦焼スルコト....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
るが惜しいことには体が弱い。鶴見はそう思ってあたりを見まわした。 室内は適度に
保温されて、床脇の違い棚の上に華奢な鶯の籠が載せてある。鶴見にはそれがこの室の表....
「成層圏飛行と私のメモ」より 著者:海野十三
や偵察のときとはちがい、遠距離へ飛ぶこととなれば、長時間寒冷の中を行くこととて、
保温装置も大仕掛にしておく必要がある。 さて、話の方向をかえ、成層圏飛行の研究....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
師の財産だ。 榛名山麓も、狸の本場であろう。 今から三百五、六十年の昔、伊香
保温泉に近い水沢観音の床の下に、仙公と呼ぶ狸界の耆宿が棲んでいた。齢、千余年と称....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
上州へ入り榛名山麓の村々に布施を乞うて歩いたが、ある日の夕ぐれ、湯の上村から伊香
保温泉の方へ向かっていた。 すると、路傍の樹かげの石に、僧形の少年が憩うていた....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
る艶を放って、鮮麗な小魚である。天ぷらによし、塩焼きによし、汁物によし。 伊香
保温泉は、二つ岳の背後にあって、南方の平野からは望めぬが、私は十七、八年前、幼く....
「議会見物」より 著者:佐藤垢石
いなことをいう。だが、なんとしても木暮から客引風が抜けない。もっとも、木暮は伊香
保温泉の宿屋の亭主であるから、自分の帳場の番頭の風がひとりでにしみ込んで、いつと....