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信書
「信書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
信書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
まなかった、軸はたしかに受取ったと云う端書《はがき》が来た。自分はその端書を他の
信書といっしょに重ねて、乱箱《みだればこ》の中に入れた。そうして、また青年の事を....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
るか分らないという事も確かめた。彼と千代子との間柄はその後何らの発展も見ないが、
信書の往復はいまだに絶えない、そうしてその
信書はきっと父母《ふぼ》が眼を通した上....
「博士問題とマードック先生と余」より 著者:夏目漱石
く驚ろかされた。 マードック先生とは二十年前に分れたぎり顔を合せた事もなければ
信書の往復をした事もない。全くの疎遠《そえん》で今日まで打ち過ぎたのである。けれ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
れた形になって、秀吉の勢威隆々となったからであろうか、後藤基信をして政宗は秀吉に
信書を通ぜしめている。如才無い家康は勿論それより前に使を政宗に遣わして修好して居....
「恩人」より 著者:豊島与志雄
の風が夜のうちに止んで、朗らかな朝日の影が次第に移っていった。その時女中が一封の
信書を彼の書斎に届けた。裏を返すと彼の心は一瞬の間緊縮された。手紙は京都の若い叔....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
《はんこう》の水谷さんから手紙が来たんです。」 そして彼は、机の抽斗から一通の
信書を取出した。 周平は差出された手紙を披《ひら》いて読んだ。――初めには時候....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ろ、セント・ヘレナにいたナポレオンは、「ボナパルト将軍へ」としたハドソン・ローの
信書を同じようにつき返したのである。ポンメルシーはついに、こういう言葉を許してい....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
すぎた。足利最後の将軍義昭が彼にたよってきた。それと前後して、老蝮の松永弾正が、
信書をよせて、信長が兵を率いて上洛するなら、自分も一肌ぬいで助力する、あなたこそ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
いが、何をなしたらよかろうかと、あたかも卜者《ぼくしゃ》に尋《たず》ねるがごとき
信書がくる。わが輩も返事に窮《きゅう》し躊躇《ちゅうちょ》していると、三銭|切手....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ういう訳で、文書偽造者は死刑に処せられた。不正な紙幣の行使者は死刑に処せられた。
信書の不法開封者は死刑に処せられた。四十シリング六ペンスを偸んだ者は死刑に処せら....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
着してのちに、家康の宣教師追放、ヤソ教迫害がはじめられた。一行が政宗のいい加減な
信書を国王や教皇に奉呈しても相手にされなくなったのは仕方がなかったのだ。 ソテ....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
味の返書をした。そうして同年に柬捕塞国王より同じく通商に関する文書来たるや「遠く
信書を伝えられ、之を抜き、之を読むこと、蓮華床にして雹雪の語を聴くが如し」という....
「将来の日本」より 著者:田口卯吉
に君の気象を喜ぶ。しかるにいまだその文筆あるを覚らざるなり。 すでに西に帰り、
信書しばしば至る。書中雅意|掬すべし。往時弁論|桿闔の人に似ざるなり。去歳の春、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が、明治三十五年の四月三十日に帰って参りました。これは先にも申しました通り、私の
信書をインドのダージリンに持って行って、そうしてサラット・チャンドラ・ダース師及....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
猜疑は、いまや灼熱した。 そのすこし後に、ヘンリイ・カッフが、総督の女王あての
信書と伝言を持って、アイルランドから帰ってきた。彼が持ってきた話というものは、ど....