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修羅の巷
「修羅の巷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
修羅の巷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
浴しつつ、屋根を自在に、樋の宿に出入りするのを見て、谷に咲残った撫子にも、火牛の
修羅の巷を忘れた。――古戦場を忘れたのが可いのではない。忘れさせたのが雀なのであ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
つは、弱ったな」 二人が、押問答をしているとき、新宿の大通りでは、突如として、
修羅の巷が、演出された。 うわーッという群衆の喚き声が、市外側の方に起った。そ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
遂ぐるはと一ト群の同志を率いて官軍に加わらんとし玉うを止むるにはあらねど生死争う
修羅の巷に踏入りて、雲のあなたの吾妻里、空寒き奥州にまで帰る事は云わずに旅立玉う....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
が、四方八方から駈けつけて来た。 悲鳴、叫喚、怒号、呪詛。……ここ芝の一帯は、
修羅の巷と一変した。 その同じ夜のことであった。 遠く離れた浅草は、立ち騒ぐ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ます。騎馬が前後を守護しました。お憂慮はありませんが、いぎ参ると、斬合い攻合う、
修羅の巷をお目に懸けねばなりません。――騎馬の方々、急いで下さい。 燈籠一つ行き....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
のあった真夏の事。 ……と言うとたちまち、天に可恐しき入道雲|湧き、地に水論の
修羅の巷の流れたように聞えるけれど、決して、そんな、物騒な沙汰ではない。 かか....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
礼の動物はありますまい。わたしは更にリドへ行って賭博を試みましたが、そこは全く阿
修羅の巷ともいうべきものでした。わたしはあらゆる階級――零落した旧家の子弟、劇場....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
音! それが一つに集まって、ゴーッと巨大な交響楽となる。 一瞬の間に霊岸島は、
修羅の巷と一変した。 と、その時、鮫島大学の、屋敷の門がひらかれて、 「さあ方....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
その他の者共一人残らず、屋敷から逃げ出し姿を消してしまった。 こうして今までは
修羅の巷として、叫喚と悲鳴とで充たされていた屋敷は、静寂の場と化してしまった。わ....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
わず昇降口の下に首を縮込めたり。 六 帆船「ビアフラ」の甲板は、今
修羅の巷なり、風は猛り波は吼え、世界を覆えす大地震に遭いしがごとき船上にて、入り....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
寄って来る。船客達は騒ぎ出す。号泣、怒号、神に祈る声! 愉快な航海が一瞬のうちに
修羅の巷と変ったのさ。いずれ海賊と云ったところで黙って穏なしくしてさえいれば命ま....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
火事の遠照りはここまでも届いて、死人かのように蒼い顔を、陰影づけて明るめていた。
修羅の巷は向こうにあったが、ここは寂しく人気なく、秋の季節は争われず、虫の音がし....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
見たり。中空を走る様に思われたり。待てちゃアと二声ばかり呼ばりたるを聞けりとぞ。
修羅の巷を行くものの、魔界の姿見るがごとし。この種の事は自分実地に出あいて、見も....
「銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
の車の行すぎたる跡より、大路の砂は見る見る乾きてあさ露を飜し尽したる路傍の柳は、
修羅の巷の戦を見るに堪えざらんように、再び万丈の塵を浴びて枝も葉も力なげに垂れたり。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
知れない。またその陥穽は雪山の谷間よりも酷いものがあるであろうけれども、そういう
修羅の巷へ仏法修行に行くと思えばよいと決心致しました。その歌は
日の本に匂ふ旭....