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「個別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
個別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
的実在論の主張するがごとき類概念の抽象的一般性ではない。かえって唯名論の唱道する
個別的特殊の一種なる民族的特殊性である。この点において、プラトンの認識論の倒逆的....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
すべての因子が無効な場合におけるその一つの因子の及ぼす効果だけを知れば、それらの
個別的効果の総和が実際の共存的場合の効果を与えるか、というと、決してそうばかりで....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
シャツ一枚になって映画を作っているのではないか。 私は一般平均から見ても、また
個別的に見ても、学芸にかけての日本人の頭が少しでも欧米文化国民のそれに劣らないも....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
能にする魔術師の杖は何かと調べてみると、それは、言わば、具体的事実の抽象一般化、
個別的現象の類型化とでも名づけるべき方法であると思われる。 殺人事件というもの....
「科学論」より 著者:戸坂潤
chichte を見よ。 *** リッケルトは歴史学に於ける法則の問題に因んで、
個別的因果の概念を提出している。――尤も之によって、自然科学と文化科学という例の....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
なるのである。なぜなら社会科学乃至歴史科学に於ては、例えば形式主義的・解釈学的・
個別化的・等々ありと凡ゆる(観念論式な)範疇構成の態度が案出されているが、こうい....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
ぐ様ヘーゲルを連想してはならない。ヘーゲルの論理学は、従ってその普遍者と特殊乃至
個別者は吾々にとって、より根本的な特別の関心を要求する。 弁証法によるか演繹法....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
一本だそうですけど」 「ほう。日本酒まで珍しいな」 芸者の人数が多すぎて、一々
個別的な応対はしていられない。ローソクの明りが薄暗いせいもあるが、多勢に無勢、一....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
事実はあるものではない。倉三の証言によって、当日水野の家に参集した筈の人物は全部
個別的に取調べをうけたが、彼らの全ては、当日たしかに水野家へ参集したことをアッサ....
「カントと現代の科学」より 著者:戸坂潤
果する処のものを予想すると云う時継起の全体の個々の出来事に又先行するものの全体が
個別的に区別されうる個々の関係にほごしうるということを暗々裏に予想している。それ....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
て、連合国に七億七千万フランの償金を支払えという条件を押しつけた。その上、連合国
個別の要求がこれに加わり、かつ、各国の君主および将軍たちが、てんでに勝手な理由を....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
の人々に対決するのだ。まず女中からというのが記者常識の第一課だから、三人の女中に
個別対面してみたが、 「ゆうべのお客さんは大川さんお一人ですよ。たいがい今井とい....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
に合うようになるであろう。 野球も角力も映画も舞踊も芝居も、常設館から各家庭へ
個別に進出することとなる。これは興行というものにとって、革命を意味する。 むか....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
り始め、やや進みては新聞雑誌または日常生活に密接せる事項につき児童をしてあるいは
個別的に検索せしめあるいは宿題を課して一整に筆答せしめ練習を重ぬるに従い漸次統計....
「彼等流浪す」より 著者:小川未明
うに人間を考えらるゝことはあっても、実際に於ける、大衆の生活、民衆の生活は、全く
個別的のものであった。 どこに行っても、人間は、みな自分と同じように、たえず、....