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「倍大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

倍大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古千屋」より 著者:芥川竜之介
れは実際直孝には疑う余地などのないことだった。しかし家康はいつの間《ま》にか人一倍大きい目をしたまま、何か敵勢にでも向い合ったようにこう堂々と返事をした。―― ....
或る女」より 著者:有島武郎
務長の笑い声がまた聞こえて来た。そして医務室の戸をさっとあけたらしく、声が急に一倍大きくなって、 「Devil take it! No tame creatur....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
緒に暮すつつましい未亡人ぶりが似合う女であった。ガラガラしたしわがれた声や、人一倍大きく突き出した鼻も、案外彼女のさびしい貞淑さを裏切っていなかった。 代診を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、その光度は衝突以前に比べてもまたその後に衰えたときに比べても数百倍あるいは数千倍大きいものとなるであろう。 しかるにまた、星雲は太陽相互の衝突を早めることも....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
屋に泊り込み、寝食を忘れて製作に熱中し出した。 そうして筆者等の予算計画の約二倍大に当る等身大の座像をグングン捏ね上げ初め、十数日後には、筆者等が見ても故人に....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
この世の大事の如く騒いで汗も拭かず矢鱈にもみ合って、稼業も忘れ、家へ帰ると、人一倍大めしをくらって死んだようにぐたりと寝てしまう。かねて力自慢の才兵衛、どうして....
病室の花」より 著者:寺田寅彦
妻がまた大きなベコニアの鉢を持って来てくれた。それは宅から持って来たのに比べて数倍大きくみごとなものであった。この花が来てみると今まであったベコニアは急に見すぼ....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
はそこに、まん中に一つの動かない塊《かたまり》があり(水素の核《かく》よりも十数倍大きい)、そのまわりに八個の小さい球(電子だ)が、ぐるぐるとまわっていた。それ....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
士は大きく両手をひろげる。 「そんなものは、どれも欲しくありません」 醤は人一倍大きな頭を左右に振る。 「ほう、これじゃ気に入らんのか」 「博士。余――いや私....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
区切って、ここに地球の輪廓が見える」 なるほど、それはたしかに見える。西瓜を二倍大にひきのばしたくらいの大きさであった。 「分ったかね。これが、われわれのうし....
東京要塞」より 著者:海野十三
するであろう。 「某大国の南太平洋における防備は、わずかこの半年の間に、従来の五倍大になった。飛行機、爆弾、燃料、食糧、被服などは、どの倉庫にも一杯になって、中....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にゃ駄目だ」 「もちろんのことさ。しかしこういう場合を考えて、わが東洋艦隊は約三倍大の勢力に補強されてあるから、心配はない。そうして敵艦隊に戦闘をさせておいて、....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
になり、不日出発する事になったのじゃが……」 と、色浅黒く、眼小さく鋭く、口一倍大きく、少い髪を総髪に結んでいる勇は、部屋の半分以上も射込んでいる陽に、白袴、....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
でが劣っているように見られたのであるということがわかった。そこで今までより形を三倍大きくしたところが非常に評判がよくなった。これは一例であるが、私は頑固のようだ....
戯作者」より 著者:国枝史郎
俺一人|彼奴らと異う。これは確かに寂しいことだ。しかし」と馬琴は昂然と、その人一倍大きな頭を、元気よく肩の上へ振上げたが、 「人は人だ、俺は俺だ! 俺はやっぱり....