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倒木
「倒木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倒木の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
棘茎や葉が泥水に腐り、その池のような溜りが珈琲色をしている。しかし、そこから先は
倒木もあって、わずかながら道がひらけた。しかしそれは、ただ真西へと悪魔の尿溜のほ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
を申し上げる」 こう云って彼は叮嚀に頭を私に下げさえした。私達二人は湖水の岸の
倒木の上に腰かけて互いに話し合っているのであった。ダンチョンはレザールやマハラヤ....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
ので歩きよい。黒木の林中は秩父あたりとよく似ている。しかし尾根の頂上近くには大分
倒木があった。その中を潜り抜けて皇海山西方の鞍部に辿り着いたのが午後十二時四十分....
「木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
られない。止め度なく飛び降りつづけるのである。ちょっと油断すれば先行者の姿は草か
倒木の下に隠れて見失うのである。立ち止って「オーイ」と呼ぶと、遥か下の方で「オー....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
」の文字も無意識にうちに消え失せた。滝また滝。磊々《らいらい》たる大岩石の堆積、
倒木のロウ・ハードル、見上げるような滝となって落ち込む威圧的な支流、コマツ沢の合....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
をし、これを抱いて引きあげてくる。路は思いがけなく炎の屏風にさえぎられ、転ずれば
倒木縦横に交じりて越すに由なし。ある時は吹き崩された石垣をよじ登り、ある時は板橋....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
のでさしたる困難はない。それでも水際ばかりは通れないので、或時は右側の藪を濳って
倒木に困しめられ、或時は左側の草の生えた崖を登って上を廻ったりなどする。 「誰が....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
若木が邪魔になって困った。それでも例の杭と切明けがあるので迷うようなことはない。
倒木もあるにはあったが、むごたらしく風に吹き倒されたのは少ないようであった。 ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
偃松が途切れて、雑木の繁った窪地のような処を左に通り抜ける。半ば朽ちて土に化した
倒木の横から、五、六本の黄色の菌が一塊りになって生えている。其中の一に妙な虫が附....