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「倒産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

倒産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
だるまや百貨店」より 著者:宮本百合子
表情で仕事に熱中しはじめた。四年前の恐慌からこの町だけでも相当な機屋が片はじから倒産し、機械をとめている。広幅ものの輸出羽二重や人絹を織っていたこの山陰地方の町....
猫車」より 著者:宮本百合子
を掴んで来るかを心得た地主の笑いかたである。大正七八年の恐慌で庄平の一家が初めて倒産に瀕したとき、ともかく店を続けさせたのは坂口であった。その金にはもとより利が....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
ようになった祖父と五十年連添った祖母との間に不思議な生活ぶりが始った。 祖父は倒産した家を始末する時、祖母の分としては、家じゅうの小鉢と壺と食器とをやっただけ....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
で、後の事を引受けることになって連れてゆかれた。その家が以前の我家《わがや》――倒産した油堀の伊勢八のあとであろうとは――彼女は目くらめく心地で台所の敷居を踏ん....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ラの流行《はや》った最終だというが、利久はお媼《ばあ》さんがコレラで死ぬとすぐに倒産《つぶ》れた。万さんという息子は日雇人夫《ひようとり》になったが、そののち、....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
壊された世の渦は、ことに江戸が甚しかった。武家に次いでは名ある大町人がバタバタと倒産した。お城に近い日本橋|両替町《りょうがえちょう》(現今の日本銀行附近)にか....
待つ者」より 著者:豊島与志雄
的なものは、抽象的に拵えあげられた運命などというなまやさしいものではない。恋愛や倒産や義理など、つまらない浮世の事情からにじみ出したものではあっても、ぎりぎりの....
程よい人」より 著者:豊島与志雄
の参謀から起ることだ。金融が極端に緊縮されてる現状では、金貸業者の助力によって、倒産を免れる事例もあるし、多大の利益を得る事例もあると、黒川が説明してくれたこと....
怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
帰って来るという事態が持ち上った。素人のくせに手を出した漁業に大失敗をして、危く倒産は免れたが、家産の大整理をしなければならなくなったものらしい。帰って来れば、....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
した男 私の家から百メートルもないところで珍しい事件が起った。Sという買継商が倒産してつるし上げにあったのである。買継商というのは町のメーカーから織物を仕入れ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
も困《こう》じ果てて、ある日|妾《しょう》に向かい、家の生計意の如くならずして、倒産の憂《う》き目さえやがて落ちかからん有様なるに、御身《おんみ》とて何時《いつ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
うな小売商の中にも騰落に際し方針を誤ったために、多年の信用を一朝にして失い、閉店倒産したものが少なくなかった。大正四年開戦の当初は諸物価一時下落したが、たちまち....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
界をも動揺させた。横浜開港の時からの生糸商、野沢屋の七十四銀行の取附けとなり遂に倒産した。 浜子の家《うち》では、当主賢吾氏が、子飼《こがい》から野沢屋の店に....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
にこだわっている。第一流が来る筈もなければ、来られてはソロバンのけたがはずれて、倒産するに至るであろう。私は第二流第三流を問わない。彼等の新しい見方によって、新....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
大笑して、「お蔭で、この山間の村々でも、約三百軒の貧農、中農が、まき添えを喰って倒産する。だが、それも時代の勢いというもので、何とも仕方がない。まずまず身代はた....