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借財
「借財〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
借財の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
した。この高源寺は慶安年中の開基で、相当の由緒もある寺でござりますが、先代からの
借財がよほど残って居ります上に、大きい檀家がだんだん絶えてしまいました。火災にも....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
う。早乙女主水之介の最期を飾らっしゃい」 「アハハ……。なるほど、ゆうべの膝枕の
借財をお取り立てに参られましたか。なかなかよい膝で御座った。まさにひと膝五千石、....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
き商法上では損ばかり致して忽ち微禄して、只今の商人方と異って其の頃は落るも早く、
借財も嵩み、仕方が無いから分散して、夫婦の中に十歳になりますお繼という娘を連れて....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
で夢中になってしまった。とうとう私は罪のソーセージを造り上げてしまった。女も自ら
借財の山を築いて、その心情を私に示してくれた。さてまた私は毒薬と、ピストンへの誘....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
せん。終には増長して家の金を持出して遊びに出て、小瀧に入上て仕舞いますので、追々
借財が出来ましたが、親父は八ヶましいから女房のおくのが内々で亭主の借金の尻を償っ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。そのとき万策窮して、実父の預金があることを知っているから、ミネに事情をあかして
借財をたのんでもらった。 左近は自分の子供がどこで何をしているか、そんなことは....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
云われたので、種々心配して神鬮を取ったり売卜者に見て貰いなどしたが分らない、殊に
借財方から責められて、迚も身代が持切れませんから、身代をしまいまして、七歳になる....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
は商売の手違いから、二、三年来その家運がおとろえて、同商売の井戸屋には少なからぬ
借財が出来ている。現にこの歳の暮れにも井戸屋から相当の助力をして貰わなければ、無....
「瘤」より 著者:犬田卯
ば村の信用組合、F町の油屋――米穀肥料商――農工銀行、土地無尽会社、その他からの
借財は返せなかった。三円五円という村内の小作人への貸金、年貢の滞り――それらは催....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
い流行性感冒に罹った。ずっと失業していた友木は、それまでに親戚や友人から不義理な
借財を重ねていたので、万策尽きて玉島から五十円の金を借りた。それからと云うものは....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
頃段々と家運の傾きかけた祖母の家では前宗(前島宗兵衛)に、十万両と云う途方もない
借財を拵えていましたが、前宗と云う男が、聞えた因業屋で、厳しい督促が続いたもので....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
だった。しかし彼らの生活程度は、ベエコンの世帯に驚くべき失費を課した。彼はすでに
借財を背負い、貸付人たちはようやくつむじを曲げようとするころだった。どういう角度....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
うに、
欲しい物が金より多い。
そこで亭主の難儀は一通でない。
どっちへ向いても
借財だらけだ。
女は引っ手繰られるだけ引っ手繰って、
著物にする。好いた男に遣る....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
父の金重は無慾の人でございますから、娘へ残します処の物とてもございません。少しく
借財が残ったぐらいの事で、死にます時の遺言に己も人に知られた金重だから恥かしくな....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
。 「話して下さいませんか? 何かご存じのことがあるなら――、私共は自殺の原因を
借財のためとばかり思い込んでいるんですから。もしも他に原因があるとすれば、是非|....