値段[語句情報] »
値段
「値段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
値段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
はちょうど六万四千七百六十九匹の職工が解雇《かいこ》されましたから、それだけ肉の
値段も下がったわけですよ。」
「職工は黙って殺されるのですか?」
「それは騒いで....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
った。しかし最後にオレンジだのバナナだのの出て来た時にはおのずからこう云う果物の
値段を考えない訣《わけ》には行《ゆ》かなかった。
彼等はこのレストオランをあと....
「或る女」より 著者:有島武郎
しな》はこれならこっちでも上の部ですぜ」
「だからいやですわ。流行おくれとなると
値段の張ったものほどみっともないんですもの」
しばらくしてから、
「でもあのお....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
てしまうのは? 第三の盗人 なるほど、それも好いかも知れない。 第二の盗人 ただ
値段次第だな。 王子
値段は――そうだ。そのマントルの代りには、この赤いマントル....
「親子」より 著者:有島武郎
はすぐ元の問題に返った。 「それは早田からお聞きのことかもしれんが、おっしゃった
値段は松沢農場に望み手があって折り合った
値段で、村一帯の標準にはならんのですよ。....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
客。――近頃は、東京でも地方でも、まだ時季が早いのに、慌てもののせいか、それとも
値段が安いためか、道中の晴の麦稈帽。これが真新しいので、ざっと、年よりは少く見え....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
、これからなんでも品物がある時には、まず、乃公の処へ持って来て見せるんだぞ」 「
値段は決してほかの家よりすくなく出すことはない」秀才は言った。 秀才の奥さんは....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
酒を一杯買い、櫃台に靠れて熱燗の立飲みをする。――これは二十年前のことで、今では
値段が上って一碗十文になった。――もしモウ一文出しても差支えなければ、筍の塩漬や....
「初雪」より 著者:秋田滋
があって、これがなかなか馬鹿にならないものであることを知った。季節によって、卵の
値段には幾サンチームかの上り下りがある。彼女にはその卵の
値段にも興味がもてるもの....
「米」より 著者:犬田卯
十か、よし、都合つける。――明日でよかっぺ。」 「それはいいが、……しかし、その
値段は、少し、どうかなんねえかい。」 「公定だよ、君、これを破れば、俺はやみであ....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
憶力もないのらしい。 先日古い反古を整理していたら、亡き母が若い頃書いた玉露の
値段表が出て来た。 母は習字のほうは相当やっていたので、なかなかの達筆でかかれ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
々相を礼しつつ、「ただ試みに承りたい。大なこのくらいの像を一体は。」とおおよその
値段を当った。――冷々とした侘住居である。木綿縞の膝掛を払って、筒袖のどんつくを....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
持ってけ、背負ってけ。」 などと喚く。赫燿たる大蟹を篝火は分ったが、七分八分は
値段ではない、肉の多少で、一貫はすなわち十分の意味だそうである。 菅笠脚絆で、....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
自由化が本格化して七〇%は完成しようとしております。そのために、北海道では大豆の
値段が暴落し、また中小下請工場は単価の引き下げに悩んでおります。通産省の官僚が発....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
った。当時の青年たちを支配していた壮士気取りの気風は、やはり私にもあったわけだ。
値段は大枚二円。それから桃山から京都へ出て、四日市行きの汽車に乗込んだ。汽車はそ....