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倦きる
「倦きる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倦きるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
表の入口に、複雑な錠前をかけて置くことにして居りました。 兄にとっては、実験に
倦きると、花壇に出て、美しい花を摘み、夕餐がすむと、嫂と百合子と、執事の勝見を相....
「家」より 著者:島崎藤村
な……で、そのことを御友達に御話したら、それは造作もないことだ、同じ絵ばかりでも
倦きるだろうによって、時々別なのを持って来て取替えて進げる、そう言ってあんなのを....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
に母親を探し求める風もなかった。幾代や兼子や女中達と面白そうに遊んでいた。玩具に
倦きると庭に出た。庭に
倦きると表へ出た。そしてまた玩具の所へ戻ってきた。も少し馴....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
行った。末っ児の達夫は、三歳とは云え漸く駈け廻れるくらいで、玩具箱をかき廻すのに
倦きると、しきりに母親の後ばかり追っかけた。それを俊子は時々の気分によって、突き....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
、留針に刺されながら、単調だが微笑ましい模様を、形づくってゆく……。 それにも
倦きると、彼女は、リリアンの長い一筋を取って、その切口の、細かな絹糸が無数に乱れ....
「肉体」より 著者:豊島与志雄
は彼女を愛してはいました。彼女の出産前後も、殆んど貞節を守り、いつまでも、彼女に
倦きるということはなさそうでした。そしてまた、彼女の生活についてこそ、これからど....
「蓮」より 著者:豊島与志雄
て、折られた茎が細い糸でつながってゆくのを、面白そうにぶら下げて眺める。それにも
倦きると、小川の清い水を葉の中にすくい込み、鮒や鯰の子を捕えてきて、その中に泳が....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
やなの。」 「あっち、あっち。」 娘は他の皿の方へ手を差し出している。 「じき
倦きるのね。こんどは、おいしいおいもが来ますよ。おさつ、さつまいも、知ってますね....
「復讐」より 著者:豊島与志雄
ょっと見たいんだ。 「ご冗談でしょう。よく知っておりますよ。姐さんの寝顔なんか、
倦きるくらい見ていらっしゃるじゃありませんか。」 私は言い進んだ。――ほんとの....
「孤独者の愛」より 著者:豊島与志雄
、弱い方らしいけれど、弱いなりに何のためらいもなく自然に、二つの肉体は合致して、
倦きるということがなかった。これが愛情というものなのであろうか。 「心配しなくて....
「絶縁体」より 著者:豊島与志雄
が最初で、それからは、竹の垣根を跨いで市木さんのところへ行くことになった。仕事に
倦きると、ぶらりと出かけて、縁側で無駄話をしながら、煙草を一本ふかすぐらいの時間....
「山吹の花」より 著者:豊島与志雄
って取り柄はないが、ただ僕を慕っていてくれるから、突っ放すのも気の毒で、先方から
倦きるまで、まあそっとしておいてやってるんです、とそんなことを、はっきりは仰言ら....
「白木蓮」より 著者:豊島与志雄
いる。――その夜から、私は幾度その肉体に取り縋ったことか。強い快楽もなかったが、
倦きることもなかった。 桃代はその土地では、顔の売れた姐さん株で、気儘にひらの....
「小説集「白い朝」後記」より 著者:豊島与志雄
、この類の物語を更に蒐集することに、小悪魔は退屈しないだろうけれど、作者は恐らく
倦きるだろう。それ故作者はすぐに、少年正夫にとびついていった。正夫は結論であり、....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
深い関係があるといえよう。 私の体験からいえば、うなぎを食うなら、毎日食っては
倦きるので、三日に一ぺんぐらい食うのがよいだろう。美味の点からいって、養殖法がも....