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倦む
「倦む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倦むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
のである」 と少し真面目な口調に返り、 「則《すなわ》ち女子《にょし》は生命に
倦むということは殆どない、年若い女が時々そんな様子を見せることがある、然しそれは....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
智的生活の所産なる知識と道徳とを讃美しないものがあろう。それは真理に対する人類の
倦むことなき精進の一路を示唆する現象だ。凡ての懐疑と凡ての破壊との間にあって、こ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
と、花好きなB君が話した。 話の面白い美術家と一緒で、牧場へ行き着くまで、私は
倦むことを知らなかった。岡の上には到るところに躑躅の花が咲いていた。この花は牛が....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
」というのを選んで、毎日子供たちを教えに行く村夫子の身に甘んじている。彼も教えて
倦むことを知らないような人だ。正香の着くという日の午後、彼は寺の方から引き返して....
「家」より 著者:島崎藤村
が日々の業務を執るところで、番頭や手代と机を並べて、朝は八時頃から日の暮れるまで
倦むことを知らずに働いた。沈香、麝香、人参、熊の胆、金箔などの仕入、遠国から来る....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
であったことを嘆ずるであろうから。彼らがもはや地上に「永遠の女性」を尋ぬることに
倦むに至れる愁嘆は諸君を動かさずにはやまぬであろう。しかししかしそこに本道と外道....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
したことがあった。それは山の傾斜に落ちている私の影だった。 私はそんなことにも
倦むと、山のいただきにある大きな岩の背に寝転んだ。そして自分の上に拡がっている大....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
工物や彫り物を売りつけようとするのであった。ゲテ物屋でも、他店の悪口を言いたてて
倦むことを知らぬ店があった。そういう店に限ってくだらぬイミテーションを売りつけた....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ように諸方を歩いて、彼が何を質問し、何を突きとめ、何をきいて満足したかを調査して
倦むことを知らないようであった。 夜は夜で歩きまわり、また読書にふけっていたが....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
たからです。貴婦人の総ての方々が悪評を加えていらッしゃるのに、たッた一人推賞して
倦むことを知らない情熱は、それが無邪気なウソにきまっていると語っているようなもの....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
一流を極わめ、忍術に妙を得、力量三十人に倍し、日に四十里を歩し、昼夜ねぶらざるに
倦む事なし。 飛沢甚内というは同列の盗賊にして、剣術、柔術は不鍛錬なれど、早業に....
「人造物語」より 著者:海野十三
になる時代が、必ず来るにちがいないと、敢えて断言して置く。人造人間は、飽いたり、
倦むことを知らないし、着物を欲しがるわけでもなく、食事をとらぬ。ただ入用なのは、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
細密な検討の心構えについては時に応じてこれを説き、自己の製作にこれを施して、遂に
倦むことを知らなかった。そしてこの無常の世の中で科学だけが大きい未来を有している....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
問官や長官だったし、父は、いくつもの公職に就き、名誉と名声を得ていた。父は廉直で
倦むところなく公務に励んだために、知っている人全部から尊敬された。ずっと若いころ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
父の忍耐深く、老母のこれも遠からぬ死に脅かされているのの手あてや、家事を支配して
倦むことのないのを見るときに、私は気の毒でなりません。私も気がくじけて手紙をかく....