»
倩
「倩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
倩の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「サフラン」より 著者:森鴎外
が私のサフランを見た初である。 二三年前であった。汽車で上野に着いて、人力車を
倩《やと》って団子坂《だんござか》へ帰る途中、東照宮の石壇の下から、薄暗い花園町....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
》たる美目《びもく》に魂を打ち込むものは必ず食われる。小野さんは危《あやう》い。
倩《せん》たる巧笑にわが命を托するものは必ず人を殺す。藤尾は丙午《ひのえうま》で....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ら堅く断られて来たのです」と云って巧みに此の場を切り抜けて去って了った、後で余は
倩々《つくづく》と考えたが秀子は既に自分の口からアノ時の争いの一部始終を告げたと....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
ま、痛く恐を帯びたるか爾なくば気抜せし者なり、余は目科の背後より彼れの人と為りを
倩々見るに歳は三十五より八の間なる可く背は並よりも寧ろ高く肩広くして首短し、執れ....
「書簡箋」より 著者:宮本百合子
ットウ》(広東)盲妓という題の詩が幾篇もあって(支那女流詩講)、なかに、 亭々
倩影照平湖 玉骨泳肌映繍繻 斜倚竹欄頻問訊 月明曾上碧山無 魯迅....
「倩娘」より 著者:田中貢太郎
重くなって、足がぴったりと止ってしまった。……もうこの土地にいるのも今晩限りだ、
倩さんとも、もう永久に会われない、これまでは、毎日のように顔を合さないまでも、不....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ゆばれ》の俄に蒸暑くなった日盛りをもいとわず、日比谷《ひびや》の四辻から自動車を
倩《やと》って世田ヶ谷に往き良人の老父をたずねて、洋行のはなしをすると、老父はか....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
はあえて彼を凌ぐことを得という能わざらんも人の耳を経ること多からず人の口と筆とを
倩いたること甚だ僅なりし点においては彼の淡泊無邪気なる大納言殿かえって来たり聴く....