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「偉丈夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偉丈夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒の追憶」より 著者:太宰治
るけれども、その先輩は拳闘家で、中国、満洲を永い事わたり歩き、見るからに堂々たる偉丈夫、そうしてそのひとは、座敷に坐るなり料亭の女中さんに、 「酒も飲むがね、酒....
散華」より 著者:太宰治
うし、僕は、どうしたらいいのか、わからなくなってしまうのですよ。」 六尺ちかい偉丈夫も、ほとんど泣かんばかりである。理由はどうあろうとも、旗色の悪いほうに味方....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
る等、その善き所なり」と云った。 謙信は、川中島の一騎討などから考えるとどんな偉丈夫かと思われるが、「輝虎、体短小にして左脛に気腫あり、攣筋なり」と云うから、....
花吹雪」より 著者:太宰治
、やさ男ではない。やさ男どころか、或る神学者の説に依ると、筋骨たくましく堂々たる偉丈夫だったそうではないか。虫も殺さぬ大慈大悲のお釈迦さまだって、そのお若い頃、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。さらに奥の間へ案内されると、広い座敷のなかにはただひとつの榻を据えて、ひとりの偉丈夫が帽もかぶらず、靴も穿かずに、長い髪を垂れて休息していた。そのかたわらには....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
している。そんな物を運ぶには裏町を通れ――とでも叱られているものとみえる。制服の偉丈夫なら巡査にきまってるから――。 HAHHAG! そうすると、空の色をう....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たく聞こえなくなると、かれらは宮殿の奥深くへだんだんに消えてゆくやや前かがみの老偉丈夫のうしろ姿を穿索するように見送った。死そのもののような彼が過ぎ去ってしまえ....
青春論」より 著者:坂口安吾
術使いで、一王国の主たるべき悪党ぶりには縁がなかった。 いつでも死ねる、という偉丈夫の覚悟が彼にはなかったのだ。その覚悟がなかったために編みだすことの出来た独....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ムで、年は三十二だと云ったが、大柄で、骨が太く、顔にケンがあり、噛みつかれそうな偉丈夫だ。男は痩せて小さくて、女丈夫に腕をとられて、文字通り、ひきずりこまれてき....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は余程の大物、曲者だろうという臆測なのだ。 島田幾之進は五十がらみの六尺豊かの偉丈夫。家族は子供二人だけ。上の男が三次郎で、年はハッキリ分らない。なぜなら、こ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
船医に出会った。東部アイルランド生まれの彼は、黒い髪と眼を持った、若い大胆そうな偉丈夫で、そのくせ妙に人を惹きつけるような暢気な、健康そうな顔をしていた。 「や....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
の柳田源左である。舌をまいて、驚いた。若党をかえりみて、 「コレ、コレ、あれなる偉丈夫は何者であるか、きいてまいれ」 「ハ。きかなくとも、分っております。ちかご....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
顔にへばりつき、ひげは草むらのように乱生し、水玉がたれている、かたはば広く丈高い偉丈夫! かれはギロギロとするどい眼光で一同を見まわすと、すばやく身をひるがえし....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
にて、実に一の「サムライ」なりき。しかしてその郎等には、鬚長く怖ろしげなる蝦夷式偉丈夫をもって、「げに吉き兵かな」と思わしめたりしなり。この帳内・資人の類より変....
妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
案された通りであるが、比較的に妖麗な女に化けるというのは少い。その多くは老人か、偉丈夫に化けて来るのであって、寧ろ男性的である。そうして、その正体は蛇蟒とか、※....