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「偏向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

偏向の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
を経済的な要求の限度にとゞめてしまう誤りを犯していると云った。得てそういう右翼的偏向は、大衆追随をしているので一応評判が良いものだ。従って「評判が良い」という事....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
で並行に動くという考えとの矛盾を融和するために持ち出されたこの原子の偶然的任意的偏向を一転して「自由意志」の存在と結び付けようとしている。これがはなはだ注目すべ....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
と後者の単なる移行以外に技術的範疇の他領域を認めないから、つまる処「科学主義」の偏向や機械論の無意味にさえ陥ったのであり、その困難が最も鋭敏に知覚された社会理論....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
でなければならぬ。と云うのは、知識は進歩乃至退歩によって真理への接近又は虚偽への偏向を意味しなければならない。そこで知識の社会学に於ては知識は、真理への歴史的な....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
。 世界観とである。 一般的は往々吾々を欺く、夫は丁度、排斥されるべき極左的偏向が無意識的に、往々は実に意識的に、反動を代表するのと同じである。 では、哲....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
テリゲンチャは決して単に消極的に彷徨していたわけではない。なる程かつて政治主義的偏向のおかげもあって自分の専門的技能の役割についての社会的意義を自覚し足りない者....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
文学者が自分の創作活動の特殊性から、他の一切の文学現象に向かって下す処の、夫々の偏向をさえ尊重される処の、文芸批評だ。だがここでは恐らく、例のエッセイのような様....
辞典」より 著者:戸坂潤
た。両者は機関紙『イスクラ』(火花)と『ザリャー』(黎明)とに拠って経済主義への偏向の克服と中央集権的革命党への結成とのために戦ったのである。第二回大会に当って....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
のが事実だろう。尤も外国の情勢に較べて可なり見劣りするのは何と云っても軍需主義的偏向が、決定的な患いをなしているのだが。 今日本の最近の自然科学界の事情を示す....
三十歳」より 著者:坂口安吾
あったと云った。思うに私は少年の頃から、勝利を敗北の形で自覚しようとする無意識な偏向があったようだ。 私はすでに二十の年から、最も屡々世を捨てることを考え、坊....
この握りめし」より 著者:岸田国士
いたところがあり、社会秩序を紊る何ものかゞひそかに含まれていないでもない。思想的偏向か、それとも、心理的異常性か、なにはともあれ、警官として、これを公に是認する....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
紛争、個人団体をとわずモンチャクの言い分をきく方が、今日的な特殊性、世相や感情の偏向を私流に指摘したり批判したり、しやすいようだ。来月からは、そういうものをやる....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
の中から、作者が好みのままに選択して、こう言う生活をした人に書こうという風に、或偏向を持った目的に源氏が生きて行っているように書かれたと思うのは、どうかと思う。....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
つ最初にあらわれた主題)が、漸次真剣な深い愛情に移り変ってゆく(すなわち曲線への偏向)と解するのが至当であろう。『イオーヌィチ』も全く同様の構成を有する一例であ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
万葉集』を再認識するということは、必ずや詞の上での『万葉』模倣にはあまりはげしい偏向は見せないということである。古の歌人に立ちならぼうとして、心を先とし、詞を思....