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側ら
「側ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
側らの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪柳」より 著者:泉鏡花
外が寂然する。ジインと鉄瓶の湯の沸く音がどこか下の方に静に聞え、ざぶんと下屋の縁
側らしい処で、手水鉢の水をかえす音が聞える。いい年増、もう三十七八になろうかしら....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
喰人種――。 × それを見届けると、大蘆原軍医は始めて莞爾と笑って、
側らに擦りよってくる紅子の手をとって、入口の扉の方にむかって歩きだした。 今宵....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、杜は不図足を停めた。 「この辺がよかろう」 杜は誰に云うともなくそう云った。
側らには小さな溝が、流れもしないドロンとした水を湛えている。それから太い大樹の無....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、いまだプンプンとしていた。 その男は、防毒マスクに気がついたのでもあろうか、
側らを指さした。髯男が見ると、そこには、若い女が、彼女の子供でもあろうか、赤ン坊....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
なければ気持が悪かった。 彼は時計がもう午前三時になっているのに気がつかないで
側らの棚から手文庫を下ろした。その中には円い大きな凹面鏡が、むきだしのまま入って....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
を借りたい心と、まだ燃えのこる敵愾心とに挿って、例の「ううむ」を呻った。そのとき
側らに声があった。 「大江山さん。総監閣下を通じてお願いしましたところ、お使い下....
「赤外線男」より 著者:海野十三
骸を引取って行った奴も奴なら、引取らした奴も奴である。 「昨夜この男がデスナ」と
側らの刑事が弁解らしく口を挿んだ。「轢死婦人の衣類や所持品を一々|点検しまして、....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
だの修身だのというものを聞こうとは思わんよ」と大口を開いて高らかに笑い、無遠慮に
側らの安楽椅子を引きよせました。勝見は顔を曇らせて此の室を去りました。 それか....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
い彼の居間に入ると、彼は、耐えとおして来た悲しさと口惜しさとを一時に爆発させて、
側らの硝子戸がビリビリ鳴り出したように思われるほど、大声を挙げて、泣いて泣いて泣....
「人間灰」より 著者:海野十三
首を伸べて、大机の後方を覗きこんだ。 「いま明けてみますから……」 青谷技師は
側らの鉄棒をとって、床の一部を圧した。すると板がクルリと開いて、床の下が見えてき....
「蠅男」より 著者:海野十三
、疲れのあまり死んだようになって睡った。樽の上で踊った長吉もお招伴をして、帆村の
側らにグウグウ鼾をかいた。それから何時間経ったか分らないが、帆村は突然揺り起され....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
云った「例のお仲間」の四人が、一つの卓子を囲んで、競技に夢中になっていた。帆村は
側らの長椅子に身を凭せて、しばらく席が明くのを待っていなければならなかった。彼は....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
、老僕、先生の家に至りしに、二三の来客ありて、座敷の真中に摺鉢に鰯のぬたを盛り、
側らに貧乏徳利二ツ三ツありたりとて、大にその真率に驚き、帰りて家人に告げたること....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
はいるが、しかし自然そのものとは全く異った有様を画面に創造しつつある如く見える。
側らに立って見るものは、その画家が何を描きつつあるのかわからない事さえありがちで....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
その中で、テエブルの上にピンで留められてあった大西洋の地図の上にのめってい、その
側らには煙の出ているピストルを持った教師が立っていた。また、二人の番兵は水夫たち....