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側室
「側室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
側室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
鉄柵をめぐらして頗る荘重に見える。 初子は四十八歳で死んだ。かれは伊達|綱宗の
側室で、その子の亀千代(綱村)が二歳で封をつぐや、例のお家騒動が出来したのである....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
柄をもって、禄を得て命を繋ごうと。……妻は諸大名の妾となり、俺は諸大名の奥方や、
側室に体を委せることにした。そうしてこれは成功した。駿河へ行って今川家を訪ね、俺....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
」 「香具師も香具師だが尾張様には、随分乱行をなさるようだな」 「お半の方という
側室を愛され、他愛が無いようでございます」 「うむ、他からもそんな事を聞いた」 ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
入れになりましたが、四五年|前にお逝去になり、其の前から居りましたのはお秋という
側室で、これは駒込|白山に住む山路宗庵と申す町医の娘を奥方から勧めて進ぜられたの....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
の町なのである。 よろめいて立つ塔婆の並列。家々の窓から覗く土耳古宮廷妾と王公
側室と回教女。何と貧しい淫楽の巷であろう! 植民地兵営の喫煙室みたいな前庭。その....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
つまで良人の胸にひびかぬ筈がございましょう。ヤケ気味になった良人はいつしか一人の
側室を置くことになりました。それからの私達の間には前にもまして、一|層大きな溝が....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
朝の結婚の形式ではっきりしてくることは、昔ならむかいめ(嫡妻)があって、その他に
側室があるように考えられるふうに書いてあるが、平安朝では嫡妻はなく、有力なものが....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
それから首を傾げるようにしたが、 「どうもそれにしてもお篠という女が、あのお方の
側室にあがって以来、あのお方のやり方が変になられた。……どっちみちお篠に似た女の....
「雪の宿り」より 著者:神西清
統には悉皆お身仕度を調えて、お廂の間にお出ましになっておられます。東の御方(兼良
側室)はじめ姫君、侍女がたは、いずれも甲斐々々しいお壺装束。わたくしも、こう成り....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
うして京都の貧しい公卿の、美しい姫を養女として養い、巧みに時の将軍に勧めて、その
側室としたことによって、将軍家のお覚えがいともめでたい。――というのが理由の一つ....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
ようも一通りではなかった。誰れでもおしかさんは別者《べつもの》にして、近衛様のお
側室《そくしつ》さま格に思い、やがて呼迎えられる日のあることを、遅かれ早かれ、約....
「軽女」より 著者:上村松園
った。同志の人々でさえ、内蔵助の真意を解しかねて呆れはて、 「これはいっそのこと
側室でも置いたら、あのような乱行はなくなるであろう」 そう言って、拾翠菴の海首....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
十の頃から、珠のようだといわれたその肌は、年増盛りの愈※冴えて、わけてもお旗本の
側室となった身は、どこか昔と違う、お屋敷風の品さえ備わって、恰も菊之丞の濡衣を見....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
うが、矯曇弥の呪詛の押絵は、城中の奥のうち、御台、正室ではなく、かえって当時の、
側室、愛妾の手に成ったのだと言うのである。しかも、その
側室は、絵をよくして、押絵....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
大要で、藤太の奥方は京の近衛家の姫君であるとも云い、或いは藤太の母親は最明寺殿の
側室で、藤太も実は時頼の落胤であるのだとか、或いは藤太はかの金売吉次の父親である....