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「傍ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

傍らの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
《すす》めるのである。殊に少年や少女などに画本《えほん》や玩具《がんぐ》を与える傍ら、ひそかに彼等の魂を天国へ誘拐しようとするのは当然犯罪と呼ばれなければならぬ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
屋のもの置、村はずれの辻堂などを仮の住居として、昼は村の註文を集めて仕事をする、傍ら夜は村里の人々に時々の流行唄、浪花節などをも唄って聞かせる。聞く方では、祝儀....
黒百合」より 著者:泉鏡花
が、同じ教子の内に頭角を抜いて、代稽古も勤まった力松という、すなわちお雪の兄で、傍ら家計を支えながら学問をしていたが、適齢に合格して金沢の兵営に入ったのは去年の....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
園などへ、水彩画の写生に出かけしものなり。僕もその御伴を仰せつかり、彼の写生する傍らに半日本を読みし事も少からず。恒藤の描きし水彩画中、最も僕の記憶にあるものは....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ルの上に発見され、たまたま私の手に入った。最後の夜にその男が弾をこめたピストルを傍らに置いて書き綴った手記である。私はこれを極めて興味あるものだと思う。絶望の果....
良夜」より 著者:饗庭篁村
にして弄ぶが如し。目は眩み腹は揉める。死なざりし事を幸いとして、東京神田万世橋の傍らへ下ろされたり。この時の予はもとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、唖....
競馬」より 著者:犬田卯
れて、競馬場の方からやって来たものらしく、自転車を下りたばかりだった。 仙太は傍らからのぞき込んだ。塚田屋は時計師らしく前額の禿げ上ったてらてらした頭をうつむ....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
好意を信じて疑わなかった。三度目に手代に突っぱねられた時、彼は邸宅の門前の雪堆の傍らに待ちかまえていて、若旦那が自動車に乗り出したところを「今日は――」と言って....
」より 著者:犬田卯
深く知らず催促などした自分の不明が恥かしくさえ感じたほどだった。 所有地管理の傍ら、一人の作男と下働きの女中を置いて、一町八反の自作――それが親父のやって来た....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
虫め。――この霊地をどうする。」 自動車の助手に、松の枝を折らせ、掃立てさせた傍ら、柄杓を取って、パッパッと水を打つついでに、頭ともいわず肩ともいわず、二人に....
迷信解」より 著者:井上円了
ある。その地方に人家を離れて一帯の森林があるに、古来その中に老狐住すと伝え、その傍らを通過せるもの、ときどきだまされて家に帰らざることがあると申しておる。ある日....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
にマリアの女像を安置せる一室あり。なお、わが神社の奥院のごとし。その堂の入り口の傍らには洗礼室あり。小児の洗礼を行う所なり。 旧教の寺院にては、その入り口に水....
西航日録」より 著者:井上円了
天然の温泉なきも、海岸遊歩場の地下に壮大なる人工的浴泳場および温泉場を設け、その傍らに奏楽場ありて、ときどき音楽を奏するがごときは、到底熱海にありて夢想しあたわ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
マイルありという。秋洲船医およびウィルキンソン氏の紹介により、フィッツロイ公園の傍らに寓居を定む。メルボルンの気候はシドニーよりいくぶんか冷気の加わりたるがごと....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
である。煙管が二三服吸っている中につまってしまうことなどがある。彼は腰を伸ばして傍らに生い立った萓の茎を抜き取る。滑らかに細長い萓の茎はいいあんばいに煙管の中を....