傍杖[語句情報] »
傍杖
「傍杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傍杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
さまを殺す気はなかったが、あいにく其の日に限って、殿さまも船で帰ったので、云わば
傍杖《そばづえ》の災難に出逢ったのですよ。運の悪いときは仕方のないものです」 「....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りとて七人が七人、揃って人の恨みを受けそうもない。勿論、そのなかには何の罪もなく
傍杖《そばづえ》の災難をうけた者もあるかも知れないと、庄屋の茂右衛門が先に立って....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
(這い起きてきっと視る) 僧 上様ばかりか、御家来衆も大方は斬り死……。わしらも
傍杖の怪我せぬうちと、命からがら逃げて来たのじゃ。 春彦 では、お身がわりの甲斐....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
城してから、もうこれで、一と月あまりだ。私どもも、ここへ逃げ込んだばかりに、この
傍杖を食ったのだ。よほど前から、城内には食い物ひとつありません。鹿の肉一きれ口に....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
懸っていたとしたならどうであろう。どっちの場合も、人様のおかげをもって、どえらい
傍杖的被害を喰う虞れが十分に看取されたものだから、どうして落付いていられようか。....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
宰相と間違えられていつなんどき面倒なことが発生するやも知れず、かくてはわたくしが
傍杖をくうおそれがあるので迷惑だから、道中だけを特に変装して貰うことにした。それ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
かりの間である。 「何をする、何をする。」 たかが山家の恋である。男女の痴話の
傍杖より、今は、高き天、広き世を持つ、学士榊三吉も、むかし、一高で骨を鍛えた向陵....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
リングで殺すつもりで育てた牛である以上、牛の死ぬのはまあ仕方がないとして、馬まで
傍杖を食わして殺すのは非道い。こういう議論が起って、最近では、出場の馬へ硬革製の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。 「いえ、女ってえものは、またこれがその柔よく剛を制すといった形でね。喧嘩にも
傍杖をくいません、それが証拠にゃあ御覧じろ、人ごみの中でもそんなに足を蹈つけられ....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
の呪詛があったとすれば、それは透君ひとりにとどまっていることで、多代子さんはその
傍杖を食っていたのかも知れませんね。」と、わたしは笑った。 「そうかも知れません....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
会ったのを幸いに、さざえのつぶての仇討となったかも知れない。果してそうであれば、
傍杖を食ったおかみさんと自分はともあれ、主人が痛い目をみるのは是非ない事かとも思....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
何でも噂では百姓一揆がここを通るんだとかで、あれやこれや、ボンヤリ店を開いていて
傍杖でも喰うた日にはたまりましねしね……。 仙太 百姓一揆がね、フーム……。 長....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
亜米利加の排日案通過が反動団体のヤッキ運動となって、その
傍杖が帝国ホテルのダンス場の剣舞隊闖入となった。ダンスに夢中になってる善男善女が....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
何でも噂では百姓一揆が此処を通るんだとかで、あれやこれや、ボンヤリ店を開いていて
傍杖でも喰うた日にはたまりましねしね……。 仙太 百姓一揆がね、フーム……。 長....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
それから暴風が森をざわつかせ、きしめかして、
折れた樅の大木が隣の梢、
隣の枝に
傍杖を食わせて落ち、
その音が鈍く、うつろに丘陵に谺響する時、
お前は己を静かな....