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備に
「備に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
備にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
央にグラノフォンが一台あり、白銅《はくどう》を一つ入れさえすれば音楽の聞かれる設
備になっていた。その夜《よ》もグラノフォンは僕等の話にほとんど伴奏を絶ったことは....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
浴衣《ゆかた》やら手ぬぐいやら晒布《さらし》やら浅草紙やらを、罹災民に分配する準
備に忙しい。紺飛白《こんがすり》が二人でせっせと晒布をたたんでは手ぬぐいの大きさ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
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細川家は、諸侯の中でも、すぐれて、武
備に富んだ大名である。元姫君《もとひめぎみ》と云われた宗教《むねのり》の内室さえ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
し君のスケッチ帳と手紙とを見ると、ぜひ君に会ってみたくなって、一徹にすぐ旅行の準
備にかかった。その日から一週間とたたない十一月の五日には、もう上野駅から青森への....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
になりつつある。最終戦争の近い今日、常にこれに対する必勝の信念の下に、あらゆる準
備に精進しなければならない。 最終戦争によって世界は統一される。しかし最終戦争....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の甥の少年で、小説家の巣に居ながら、心掛は違う、見上げたものの大学志願で、試験準
備に、神田|辺の学校へ通って、折からちょうど居なかった。 七十八歳になるただ一....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
返すことを禁じ得ざりき。 さてその頃は、征清の出師ありし頃、折はあたかも予備後
備に対する召集令の発表されし折なりし。 謙三郎もまた我国徴兵の令に因りて、予備....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いたいのじゃが……。』 『承知致しました。』 若者は快く引き受け、直ちにその準
備にかかりました。尤も準備と言っても別にそううるさい手続のあるのでも何でもござい....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
らん憲法があるのだから、それはそれは非常な大入だよ、そんな大仕掛な芝居だから、準
備にばかりも十カ月かかるそうだ』 『お産をすると同じだね』 『その俳優というのが....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
の侘住居なのであります。 侘住居と申します――以前は、北国においても、旅館の設
備においては、第一と世に知られたこの武生の中でも、その随一の旅館の娘で、二十六の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
には別に謝礼は出さないことにしてある。それでも、講師は半年も一年も前から実験の準
備にかかる。もちろん講師自身が全部をするのではない、助手が手伝いをするのではある....
「おびとき」より 著者:犬田卯
っけよ。一枚はこう毛のもじゃもじゃした頭巾みてえなもの冠って、剣付鉄砲かかえて警
備についていっとこだっけが、一枚は上等兵の肩章つけた平常の服のだっけよ。眼がばか....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
うとうその始末にいけない朱印の文書を受取らされた一人であった。彼は北支で鉄道の警
備に任じている忰へ古谷からの借金についてのあの手紙を出して間もなく、その配達に接....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
向転換の宣言を行い、私の属する日農は単一無産政党の結成を提唱した。私たちはこの準
備にかけ回ったが、その中途において労働組合戦線が分裂するとともに、右の労働総同盟....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ているらしい。 私の考えでは軍は政府に軍の要求する兵備を明示する。政府はこの兵
備に要する国家の経済力を建設すべきである。しかし当時の自由主義の政府は、われらの....