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「備忘録〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

備忘録の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なかったであろう。 ムアアの言葉 ジョオジ・ムアアは「我死せる自己の備忘録」の中にこう言う言葉を挟んでいる。――「偉大なる画家は名前を入れる場所をち....
文字禍」より 著者:中島敦
ヲ巧《たくみ》ニ喰イツクスガ如《ごと》シ」と、ナブ・アヘ・エリバは、新しい粘土の備忘録に誌《しる》した。文字を覚えて以来、咳《せき》が出始めたという者、くしゃみ....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
記で、寝る前に日日の記事をきちんと締め切るのである。一冊は学科に関係のない事件の備忘録で、表題には生利《なまぎき》にも紺珠《かんじゅ》という二字がペンで篆書《て....
斗南先生」より 著者:中島敦
い試みのために彼は、携帯用の小型日記を取り出し、暗い電気の下でボツボツ次のような備忘録風のものを書き始めた。書留めて行く中に、伯父の性質の、というよりも、伯父と....
伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
た。同時にもっと深く研究する必要があるので、彼はモーニングの衣嚢をさぐり、小形の備忘録をとりだした。そしてスケッチする許を求めた。 「おかまいなければ、一寸形だ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
富蘇峰さんの蔵本になっているのを、わたくしは借覧した。 抽斎随筆、雑録、日記、備忘録の諸冊中には、今|已に佚亡したものもある。就中日記は文政五年から安政五年に....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
ここにはほんの一つの空想、ただし多少科学的の考察に基づいた空想あるいは「小説」を備忘録として書き留めておく。もしこれらの問題に興味をもつほんとうの考証家があれば....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
然に逢着すべき一つの観念である。私はかつて雑誌「思想」の昭和二年九月号に出した「備忘録」の中で、生命の起元に関する未熟な私見を述べた際に、生命の胚子は結局原子そ....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
けであるが、まだそこまでの整理ができていないから、ここではただ将来の参考のための備忘録だと思って、以下に思いつくままを無秩序に書き並べるに過ぎない。読者もどうか....
浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
に手近な書物のさし絵を片はしから点検して行った。その時に心づいた事を後日のための備忘録としてここに書き止めておきたいと思う。ことによるとこんな事はもうとうにだれ....
結論をいそがないで」より 著者:宮本百合子
しかし、あなたの場合、いますぐ小説としてまとめられないとしても、さしあたっては、備忘録風なノートとしてでもいいから、書きたいと思っているいくつかの事件のあらまし....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ってたのは、自分以外の者にはだれにもほとんどわからない小さな控え帳――ごく細かな備忘録だけだった。その中にはなんらの注意書きもなしに、ある日付が、日々の生活のあ....
マルコポロから」より 著者:寺田寅彦
していたが、あまり面白いから途中からは時々手帳へ覚え書きに書き止めておいた。その備忘録の中から少しばかりの閑談の種を拾い出してここに紹介してみようと思う。以下に....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ある。 第二回 沙漠の古都 六 (以下は支那青年張教仁の備忘録の抜萃である) 夕暮れは室へも襲って来た。卓上のクロッカスの鉢植えの花は....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
説を与えられることとは思うが、自分はただ民族の方面から自分の感じたところのみを、備忘録位の意味で書きとめておくのであって、あえて柳田君の記述の先廻りをしようとい....