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「催す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

催すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》の焼けるのを望見する件《くだり》である。彼はその戯曲的な場景に、いつもの感興を催すことが出来た。が、それがあるところまで続くとかえって妙に不安になった。 仏....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の山々と森林とを眺めていると、彼は急に洞穴《ほらあな》の空気が、嘔吐《おうと》を催すほど不快になった。今は炉《ろ》の火も、瓶《ほたり》の酒も、乃至《ないし》寝床....
忠義」より 著者:芥川竜之介
あえず近習《きんじゅ》の者に話して、その旨を越中守の耳へ入れた。そこで、十五日に催す能狂言《のうきょうげん》とか、登城の帰りに客に行くとか云う事は、見合せる事に....
路上」より 著者:芥川竜之介
」を標榜《ひょうぼう》して、この頃発行し始めた同人雑誌の名前である。その連中の主催する音楽会が近々|築地《つきじ》の精養軒《せいようけん》で開かれると云う事は、....
或る女」より 著者:有島武郎
れはまた無垢《むく》童貞の青年が不思議な戦慄《せんりつ》を胸の中に感じて、反感を催すか、ひき付けられるかしないではいられないような目で岡を見た。岡は少女のように....
親子」より 著者:有島武郎
閉口した」 そんなことをおおげさに言いだして父は高笑いをした。監督も懐旧の情を催すらしく、人のいい微笑を口のはたに浮かべて、 「ほんとにそうでした」 と気の....
星座」より 著者:有島武郎
も藻巌山《もいわやま》の黒い姿に吸いこまれて、少し靄《もや》がかった空気は夕べを催すと吹いてくる微風に心持ち動くだけだった。店々にはすでに黄色く灯がともっていた....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
眠って行った。 丁度三時と思わしい時に――産気がついてから十二時間目に――夕を催す光の中で、最後と思わしい激しい陣痛が起った。肉の眼で恐ろしい夢でも見るように....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
に害を加えようとはしない。食いつきもしなければ刺しもしない。こんな場合嫌悪の感を催すことなしに寧ろいたいけな可憐な感をおぼゆるものである。草鞋の踏みすぎたあとの....
三枚続」より 著者:泉鏡花
伝六といって、ぬらくらの親方株、月々の三十一日には昼間から寄席を仕切って総温習を催す、素人義太夫の切前を語ろうという漢であった。 過日その温習の時、諸事周旋顔....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、すでにビクトリア州なり。午後、降雨あり。今夕、船医秋洲氏の好意により、牛鍋会を催す。一酔の後、戯れに「ヤギと聞き羊ならんと思ひしが、日光丸の大船長」の狂歌を船....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
ばだんだんどっさり食うものだ。けれどあの日の泣き方は今想い出しても、人の悲しみを催す。これはまったく奇妙なことだ。 一二 想像することも出来な....
村芝居」より 著者:井上紅梅
金を出して一緒に芝居を打つのである。その時分わたしは、彼等が何のために毎年芝居を催すか、ということについて一向|無頓著であったが、今考えてみると、あれはたぶん春....
地獄街道」より 著者:海野十三
のバーを出るとフラフラと歩き出すころ一時に効目が現れてくるのだ。まず第一に尿意を催す。第二に怪しい興奮にどうにもしきれなくなる。ところでそのバーを出てから尿意を....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
んでゆくほどに、その急ピッチの音楽浴が二人の脳髄を次第々々に蒸していった。嘔吐を催すような不快感がだんだんと高まってきた。ついに二人は、転げこむようにアリシア区....