傭人[語句情報] » 傭人

「傭人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

傭人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
入ったり、令嬢糸子さんを隅へ引張って耳のところで囁いたり、そうかと思うと、会社の傭人を集めてコソコソと話をしているちゅう挙動不審の男だすがな」 「フーム、何者だ....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
ならないという始末。私共もずいぶん気を揉んだんですが、何を申してもこちらはただの傭人、それに、第一なんのための御離縁か、肝心要のところがトンとわかっていないので....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れはほとんど家族の一員に等しいのですよ。まだ七年にしかならない私などとは違って、傭人とは云い条、幼い頃から四十四の今日まで、ずうっと算哲様の手許で育てられてまい....
青蛙神」より 著者:田中貢太郎
伺います、姑に仕えるとは、どんなことなのです、あなたがいけないとおっしゃるのは、傭人の給金を惜しんで、自分で働くことができないばかりじゃありませんか」 母親は....
縮図」より 著者:徳田秋声
いる間に、妻は有り金を浚って猪野の下番頭であった情夫と家出してしまい、今は老母と傭人と二人で、寂しく暮らしていた。猪野はこの事件のあいだ弁護士と重要な協議でもす....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
居ると、裏街道を都落ちの人と見えて母子づれが通りかゝり、水瓜を一つ無心しました。傭人の遠慮して小さなのを一つもいでやると、悦んでそれを持って木蔭に去りました。や....
日清戦争異聞(原田重吉の夢)」より 著者:萩原朔太郎
しながら、地面に趺坐《ふざ》して閑雅な支那の賭博《ばくち》をしていた。しがない日傭人《ひようとり》の兵隊たちは、戦争よりも飢餓を恐れて、獣のように悲しんでいた。....
女給」より 著者:細井和喜蔵
で、此の種職業婦人の八割までは全然主人から無報酬で働いている。それだのに女達は「傭人」という名目で其筋へ届け出られる。凡そ世の中に一厘の給料も支払わずに人を雇傭....
社会時評」より 著者:戸坂潤
領することに、市議達自身で決めたという事実である、一事が万事この調子でいながら、傭人税とか倶楽部税とかまでを新設した勝手な市当局者である。或る人は、今に猫にでも....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
遠くして平生他の人を見る事なく、亦語る事少く、他に心を慰むるもの無きにより、殊に傭人等は日々馬鈴薯と豆類のみを多く喰するを楽とするのみなるを以て、折には異る喰物....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人の世に在るは、絶えざる戦闘《たたかい》に在るがごとくならずや。またその日々は、傭人《やといびと》の日々のごとくならずや。…… 我|臥《ふ》せばすなわち言う、....
野萩」より 著者:久生十蘭
ってびっくりした。 安は滋子の母方の叔母で、伊作を生むとまもなく夫に死に別れ、傭人だけでも四十人という中洲《なかす》亭の大屋台を十九という若さで背負って立ち、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
古十郎にそれとなく訊ねて見たが、そんなものは知りませんねえ、と鼻であしらわれた。傭人《やといにん》どもは、みな五年十年と勤めあげた素性の知れたものばかりで、おま....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
、それで殿下がお笑いになれば、唯無性と嬉しくなる。こういう心持は何う弁解しても、傭人の卑窟心だ。操っている操っていると思い乍ら、いつか人形に操られている、可哀そ....
ユモレスク」より 著者:久生十蘭
てびっくりした。 やすは滋子の母方の叔母で、伊作をうむと間もなく夫に死に別れ、傭人《やといにん》だけでも四十人という中洲亭の大屋台を、十八という若さで背負って....