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債務
「債務〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
債務の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原心中」より 著者:菊池寛
です。死体から、指輪を剥ぎ取るということ、それは普通な人情からいえば、どんな債権
債務の関係があるにしたところで人間業ではないような恐ろしいことです。けれども、法....
「十五年間」より 著者:太宰治
それは明らかに誰かを裏切った事になると考えていた。私は、いやらしいくらいに小心な
債務家のようなものであった。 私は私の家庭生活を、つぎつぎと破壊した。破壊しよ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
も下手ものの骨董品や、異国趣味の室内装飾品などが好きであったが、庸三はある連帯の
債務を処理してもらったことから、往来するようになったものだった。それに美貌のその....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
人の評判では、その異形な怪物こそは、紋兵衛のために苦しめられたいわゆる可哀そうな
債務者の霊で、家や屋敷を取り上げられたのを死んだ後までも怨恨に思い、それで夜な夜....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
であろうか。主人公梅田十八はお城へ探検になど来なかったことにする。 彼は原稿の
債務なんかすっかり片づけてしまって、のうのうとした身体になっている。そこへ彼が口....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
題は、ヨーロッパ(及びアメリカ)精神・文化の没落と救済との問題である。――恰も、
債務者ドイツの救済は英米仏の又ドイツそのものの資本主義自身の救済であるように。 ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
らうつもりで向こうから先に称賛してくる者さえあった。彼らは自分がほめる者を一つの
債務者だと見なし、時期が来ればいつでもその債権の償却を要求し得ることと考えていた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
する事はみなりっぱな事だとたやすく思い込んでいた。 そういうやり方は、ますます
債務者らを寄せつけるばかりだった。百姓らはいつでも彼の恩恵にすがれることを知って....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
与えていた。ところが彼に恩をきせた者たちのほうでは、少し違った意見をもっていた。
債務者にはそれだけの義務があるという至って高い道徳観念をもっていた。それで、この....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
情を転換し、犯罪の過失に換うるに抑圧の過失をもってし、罪人をして犠牲者たらしめ、
債務者をして
債務者たらしめ、法権を破りたる者に法権を与えきるという結果になりはし....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
た。この相場はよし当たらないでも債権者のほうに損はなかった。万一当たればそれこそ
債務者にはひどい危険であった。ところがひょうのおかげでその日はとうとう来たのだ。....
「マルコポロから」より 著者:寺田寅彦
中の文明人が今現にやっている習俗と同じ事である。 三五九頁にはこんな事がある。
債務者が負債を払わないで色々な口実を設けて始末のわるい場合がある。そういう場合に....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
から。非常に遠縁か? かなり遠縁である。監獄に入ったことがあるか? 確かにない。
債務者監獄に入ったことは一度もないか? そんなことが今の件とどんな関係があるのか....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
刷された文書に、大きな、眼玉の飛び出しそうな朱印をきちんと捺した督促状が、付近の
債務者のもとへ届けられるようになったのである。 もっともこれらは何千という大口....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。自分の夫たるべき男を他に奪られて、加之に自分が斯んな酷い目に逢うとは、債権者が
債務者から執達吏を差向けられたようなもので、余りに馬鹿馬鹿しい理屈である。自分に....