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傷
「傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
わり》紡績会社破壊の図、第三師団兵士|屍体発掘《したいはっくつ》の図、愛知病院負
傷者救護の図――そう云う凄惨な画は次から次と、あの呪わしい当時の記憶の中へ私を引....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
――およそこの地球を荘厳にすべき、猛烈な何物も知らずにいるんだ。そこに彼等の致命
傷《ちめいしょう》もあれば、彼等の害毒も潜《ひそ》んでいると思う。害毒の一つは能....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
気にも止めませんでしたが、今になって思い合わすと、実はもうその言《ことば》の中に
傷《いたま》しい後年の運命の影が、煙のように這いまわっていたのです。が、それは追....
「河童」より 著者:芥川竜之介
笑婦になっているではありませんか? 職工の肉を食うことなどに憤慨したりするのは感
傷主義ですよ。」
こういう問答を聞いていたゲエルは手近いテエブルの上にあったサ....
「彼」より 著者:芥川竜之介
したジァン・クリストフの第一巻もまじっているのに違いなかった。この事実は当時の感
傷的な僕には妙に象徴《しょうちょう》らしい気のするものだった。
それから五六日....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
違いなかった。のみならず僕は彼がうたった万葉集《まんようしゅう》の歌以来、多少感
傷主義に伝染していた。
「ニニイだね。」
「さもなければ僕の中の声楽家だよ。」
....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
下《くだ》って来るのだった。
二
「どうしたんですよ? その
傷は。」
ある静かな雨降りの夜《よ》、お蓮《れん》は牧野《まきの》の酌《しゃく....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
はない。無数の眼はじっと瞬《またた》きもせず、三人の顔に注がれている。が、これは
傷《いたま》しさの余り、誰も息を呑んだのではない。見物はたいてい火のかかるのを、....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
遇《あ》ったのですから、勿論火事などには間《ま》に合いません。のみならず半之丞は
傷だらけになり、這《は》うようにこの町へ帰って来ました。何《なん》でも後《あと》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
っとこんな事にゃなりゃしないわ。それをお父さんがまた煮え切らないで、――」と、感
傷的に父を責め始めた。
「だからさ、だから今日は谷村博士《たにむらはかせ》に来て....
「狂女」より 著者:秋田滋
した。そして独逸語で何やら命令を下した。 するとまもなく、幾たりかの兵士が、負
傷した者でも運ぶように蒲団の両端をになって、その家から出てゆくのが見えた。すこし....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
紙の中で語っている一部始終を読み返した。私は歔欷いている自分の哀れな心の中に痛い
傷痕をかんじて、我知らず手足を折られでもした者のように呻き声を放った。 私はそ....
「初雪」より 著者:秋田滋
。彼女はいきなりその素足を氷のように冷たい、柔かな粉雪のなかへ一歩踏み込だ。と、
傷のように痛く疼く冷感が、心臓のところまで上って来た。けれども、彼女はもう一方の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。この頃デビーは塩化窒素の研究中であったが、これは破裂し易い物で、その為め目に負
傷をして※衝を起したことがある。自分で手紙が書けないので、ファラデーを書記に頼ん....
「寡婦」より 著者:秋田滋
でもいつまでも、往ったり来たりして歩いているのです。私はよく部屋の窓から、この感
傷的な少年が、両手を腰のうしろに※して、首をうなだれて、淋しそうな足どりで歩いて....