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傷跡
「傷跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傷跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「喝采」より 著者:太宰治
た。昨年の春、えい、幸福クラブ、除名するなら、するがよい、熊の月の輪のような赤い
傷跡をつけて、そうして、一年後のきょうも尚《なお》、一杯ビイル呑んで、上気すれば....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
。当然そこが血の出所でなければならぬと思われたのに、肝腎な脇腹には一向それらしい
傷跡すらも見えなくて、全然予想以外の丁度鞍壺に当る内股のところから、それも馬乗り....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
書いてありますかい!」 「胸もとの梅ばち型のどろ跡をよくみろよ。それからのど笛の
傷跡だ。ぐさりとざくろの実が割れたようにえぐられているなあ紛れもなくワン公が食い....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
場合じゃ。恥ずかしがってはならぬぞ。じゅうぶんに脛《はぎ》をまくって、諸公がたに
傷跡をご検分願わっしゃい。だれかてつだって、まくってつかわせ」 やはり、ひざに....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
りであった。その中でも、敵の珍しい紋所と、父が敵の右|顎に与えてあるはずの無念の
傷跡とが、目ぼしい証拠として、彼の念頭を離れなかった。彼は先に行く武士、擦れ違う....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
べあげた。別に特別の発見もなかったが、唯一つ、右の拇指の腹に針でついたほどの浅い
傷跡があって、その周囲だけが疣状に隆起し、すこし赤味が多いのを発見した。これは松....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
人で北川準一という男だ。背丈は一メートル六十、色の白い青年で、額の生え際に小さい
傷跡がある。服装は、鼠色の寝衣風のズボンと上衣とをつけている。非常に凶悪な青年だ....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
自身だけらしい。 昨夜は寝室のカーテンの蔭からのぞき込んでいた。いやらしい頬の
傷跡をわざと見せつけたように思われた。 相良十吉は、この頃になって、自分の生命....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
」 「娘と名はついているが、本当は安宅真一という男なんですが……あの肩のところに
傷跡の残っている……」 「ああ、真公のことかネ。あいつはついこの間まで居たが、と....
「蠅男」より 著者:海野十三
甲の上にたいへんよく切れる鉞を落としたとしたら、あんな傷が出来やしないかと思う。
傷跡は癒着しているが、たいへん手当がよかったと見えて、実に見事に癒っている。一旦....
「猿ヶ島」より 著者:太宰治
本でも木のあるところに坐りたいのだよ。」言いながら彼は股の毛をわけて、深い赤黒い
傷跡をいくつも私に見せた。「ここをおれの場所にするのに、こんな苦労をしたのさ。」....
「日月様」より 著者:坂口安吾
なあの人の妄想よ。ほら、見てごらんなさい。私のモモに、ホリモノだの、えぐりとった
傷跡だのがあって」 女は私にモモを見せた。まったく、何もなかったのである。そし....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
めに川根は手首を折り、全治に長い日数を要した。また、火箸でミケンを割られて、その
傷跡がミミズのように残っていた。 父が故郷をひきはらい上京して店をひらくとき、....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
点じてから、云い続けた。 「所で支倉君、そこに推摩居士を導いたものと、もう一つ、
傷跡に梵字の形を残したものがあったのだ。勿論、犯人が、赤色の灯を使って、推摩居士....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
横にのびる小型焼夷弾が、この国道ではハネ返ってしまうばかりか、路面にはぶつかった
傷跡もつかなかった。これぐらいの道路になると、いかにも現代道路の感であるが、そん....