僧兵[語句情報] » 僧兵

「僧兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僧兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
応仁の乱」より 著者:菊池寛
兼良は奈良の大乗院に避難して居る。元来奈良の東大寺、興福寺等の大寺では、自ら僧兵を置いて自衛手段を講じて居たので、流寓の公卿を養う事が出来た。併し後には、余....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「搦めとれッ。搦めとれッ」 口々にわめき立てながら、行く手に殺到して来たのは僧兵もどきの二三百人と、身ごしらえ厳重なお山同心の一隊です。 「ほほう、揃うてお....
十二支考」より 著者:南方熊楠
がった方の鐘は女人を嫌いまた竜頭を現わさず、常に白綿を包み置く、三百年前一向宗の僧兵が陣鐘にして、敗北の節谷に落し破ったが、毎晩白衣の女現われ、その破目《われめ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を捧げてその霊を慰める義理立てにも当るようだ。盗賊|禦《ふせ》ぎに許されて設けた僧兵が、鴨川の水、双六《すごろく》の賽《さい》ほど法皇を悩ませたり、貿易のために....
夜の靴」より 著者:横光利一
り刻んだなめらかさ、今も掘り出される矢の根石など、東羽黒に追い詰められて滅亡した僧兵らの辷り下り、走り上った山路も、峠を一つ登れば下は海だ。朴の葉や、柏の葉、杉....
雪の宿り」より 著者:神西清
ざまに考えた。どういう積りかは知らぬが、仰山に薙刀までも抱えておった。いや飛んだ僧兵だわい。その三晩目に、姫を寝所から引っさらうことは、案外に赤子の首をひねるよ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の寺は戦国時代に武田信玄の手勢に一物も残さず焼き払われてしまったが、それはここに僧兵が籠っていたためであった。この焼亡がなければ恐らく相当の珍しい史料があったと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
を構えて、武具馬具の修繕いなどを、表むきの生業として、それを手ヅルに南都、叡山の僧兵やら、諸家へも出入りして、宮方のおうごきなどを、密と探っておるよしにござりま....
私本太平記」より 著者:吉川英治
年、座主を御弟の尊澄法親王に譲られた後も、叡山大塔の住を動くなく、ひそかに山門の僧兵を練って「時こそ」と、父天皇の御一令を待つのみで、鳴りをひそめておられたから....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ある。ひとたび中堂の大梵鐘が三塔十六谷を鳴り揺すれば、日ごろ訓練に怠りない三千の僧兵がいつでも雲のごとく武装して立つほどにまでなっている。 この準備は、昨今の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、はるか奥の院のほうである。衛士の役はすべて、信濃坊源盛の手であつめられた大山の僧兵があたっていた。 「源盛、これを見てくれ」 兄長年が、よろいの袖から取り出....
私本太平記」より 著者:吉川英治
新田右衛門佐義貞 山崎方面、七千騎 脇屋駿河守義助 遊軍、山徒の僧兵千余人 延暦寺ノ僧、道場坊|宥覚 ほかに若干の舟軍がある。――舟軍は琵琶....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
壊した。仏光寺を破壊した。天龍寺を破壊した。法然上人の墓処を破却した。彼らは実に僧兵の下働きとして、暴力団の任務を行ったのであった。 彼らはまた一方では、同時....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
て悪僧というありがたからぬ称号を与えられ、円頂|緇衣に太刀を帯びて戦闘に従事した僧兵なるものの中にも、本来は三善清行のいわゆる課役を避けて身を沙門に托した社会の....
親鸞聖人について」より 著者:吉川英治
の叡山はどうか。これは今日からは想像も及ばないほどの、いわゆる大なぎなたを持った僧兵という軍事力もあり、それから山門の上ではやはり、いろいろ時勢を反映して、今日....