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僧形
「僧形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
僧形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
。が、あの男は何ものでしょう? 咄嗟《とっさ》の間《あいだ》に見た所では、確かに
僧形《そうぎょう》をしていました。が、さっきの腕の強さを見れば、――殊に兵法にも....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》く秘したと見えて、誰も知っているものはなかった。が、その石塔が建った時、二人の
僧形《そうぎょう》が紅梅《こうばい》の枝を提《さ》げて、朝早く祥光院の門をくぐっ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
美濃の国を後にして、まず京洛の地を志した。彼は、幾人もの人を殺しながら、たとい
僧形の姿なりとも、自分が生き永らえているのが心苦しかった。諸人のため、身を粉々に....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
ではあるまい。もしまたそれが正真の敵であったとして、自分はどうしようというのだ。
僧形になっている身で、人を殺すことはできない。一旦、還俗した後、
僧形になっている....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
に宙を煽つ。 まさかとは思う……ことにその言った通り人恋しい折からなり、対手の
僧形にも何分か気が許されて、 (御坊、御坊。) と二声ほど背後で呼んだ。」 ....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
央には階段があって、終っている。その階段の下に、顔が水牛になっている身体の大きな
僧形の像が、片足をあげ、長い青竜刀を今横に払ったばかりだという恰好をして、正面を....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
て、視た処、ものあわれなまで寂れていた。 ――その軒の土間に、背後むきに蹲んだ
僧形のものがある。坊主であろう。墨染の麻の法衣の破れ破れな形で、鬱金ももう鼠に汚....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
とぼとぼと歩いていた。そのうしろ姿をこわごわ透かしてみて、僕は少し安心した。その
僧形の人間は、僕の村はずれの小さい堂を守っている地蔵尼という尼僧らしく思われたの....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
としては、あまりに神威を備えた白馬はふさわしくない。その上に馬が乗せている人物は
僧形である。鶴見はここでちょっと意外な思いをする。 馬上の
僧形の人物は極めて沈....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。その薄ら茫やりとした暗がりの中には、地図のような血痕の附いた行衣を着て、一人の
僧形をした男が直立している。そして、その男は、両手をキチンと腰につけたまま膝をつ....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
差、――ざっとこういう伊達な服装の不良紳士たちが沢山さまようという色町の通りに、
僧形の二人がぶらぶら歩く姿は余程、異様なものであったろうと思います。二人は、簾を....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
もそれに同意した。かれらは家来の横井弥兵衛を呼んで、袈裟や法衣や珠数や蓮葉笠や、
僧形に必要な品々を取り揃えてまいれと命じた。不得心らしい彼を急かし立てて追いやっ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
が案外のんびりとしていたろうし、決してまた、世にいう乞食坊主でもなかった。いわば
僧形に身をやつした風流の隠士だったのである。 彼の前半生は全く不明である。出家....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
教寺院の檀那でなければならなくなった後から思うと、また非人と言われたものの中に、
僧形をなしたものの少からなんだ事実から考えると、古くからこの社会にも仏教は弘通し....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
らは御所の掃除人足である。これは東寺の掃除人足を散所法師と云ったのと同じく、もと
僧形をなしていたものらしい。明治三十二年に京都府へ出した「小法師由緒書」には、 ....