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「僧院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僧院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大川の水」より 著者:芥川竜之介
りのないさびしさに迫られたことであろう。 大川の流れを見るごとに、自分は、あの僧院の鐘の音と、鵠《くぐい》の声とに暮れて行くイタリアの水の都――バルコンにさく....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
みだした。 仮りの枕は、何が入っているのか、たいへんいい香がした。それはこの尼僧院には、およそ似つかしからぬ艶めいた香を漾わせるのだった。それとも若い女という....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
よりジェンナロ・コルバルタ(ヴェニスの玻璃工)に送れる文。(前略)その日バタリア僧院の神父ヴェレリオは余を聖餐式に招きたれど、姿を現わさざれば不審に思いいたる折....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
眉をはね上げて次の言葉に移った。 「ところが、一九二五年にいよいよ私のおりました僧院が破壊されたので、当時|巴里に移っていた父のもとに戻らなければならなくなりま....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。甲斐と信濃の国境、富士見高原のどん詰り、八ヶ岳の渓谷に、極楽浄土があるそうだ。僧院があるということだ。密夫密婦の隠れ場所、院主は尼僧だということだ。だが有髪だ....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
る少し以前らしく、六月の終りか、七月の初めの頃と思われた。 六月の雨は中世紀の僧院のように、暗くて静かだ。適に晴間を見せて、薄日が射すと、反ってあたりは醜くな....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
養のために大陸を遍歴すること約一年に及んだ。その中六ヶ月はマウント・アソスの希臘僧院で暮らし、専ら静思休養につとめた。後その司配霊イムペレエタアの告ぐる所によれ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ませんでしたが、床のなかで発作的に苦しみ悶えている間に、突然この部屋のまんなかに僧院長のセラピオン師がまっすぐに突っ立って、注意ぶかくわたしを見つめているのに気....
ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
に与えた。 或る夜は又、この町に一つの、天主教寺院へ、雑沓の垢を棄てにいった。僧院の闇に、私の幼年のワルツがきこえた。影の中に影が、疑惑の波が、半ばねぶたげな....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
もアリアリと覚えていますよ。身長も高いが、ふとってもいましたね。黒い僧服をきて、僧院の階段を走り降りて現れてきましたね。そのときだけは元気で無邪気でしたのに。大....
奇巌城」より 著者:菊池寛
た。蒼白い月の光は、静かな芝草の上や叢の上に流れていた。その叢の蔭の方には、古い僧院の崩れた跡があって、浮彫の円柱や、壊れた門や、壊れた廻り廊下や、破れた窓など....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
作の深くなる源であろうと思われます。 私は、やはり、心のあくがれが、私を淋しい僧院のようなところに誘います。謙さんに申し送ったように、西田天香さんのところに教....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
に、広々とした大教会堂の内部が眺められるのだった。この会堂は、半ば宮殿であり半ば僧院でもある大ビルディングの中央に設けてあって、そしてそこに、法服といい、動作と....
噴水物語」より 著者:岡本かの子
「それはヘロドトスの古|希臘伝説中の朴野な噴水からアグリッパの拵えた羅馬市中百五つの豪壮な噴水、中世の僧院の捏怪な噴水、清寂な文芸復興期の噴水、バロッコ時代の技巧的な噴水――どれもみ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
仏道の修業、すなわち人格の完成には、現にこの塹壕戦の方法を採っています。研究所や僧院は明らかに忍辱の塹壕です。 常に自分をかえり見て、「今、わたしは塹壕戦の真....