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「僭越〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僭越の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片信」より 著者:有島武郎
平らかなりえない心持ちの動くべきではないか」と尋ねてみたいとも思うが、それは少し僭越《せんえつ》過ぎることだろうか。 次に氏は社会主義的思想が第四階級から生ま....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
でございますよ。それはミルキ国にとって最大の損失ですわ」 「最大の損失だなんて、僭越な。ホホホ、察するところお前はこの人造人間を愛しているのだネ」 「……」 ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
。おれのようなものをかいていながら彼らに芸術家顔をする事が恐ろしいばかりでなく、僭越な事に考えられる。おれはこんな自分が恨めしい、そして恐ろしい。みんなはあれほ....
聖書」より 著者:生田春月
さえすればいいんです。それでいて詩人の本当の人間らしい叫びを説明だなどと貶すのは僭越じゃありませんか。シェレイの『雲雀の歌』などを持って来て、意味ありげな言葉を....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
をして亡くなられたのであります。 ここで、仏教教学について素人の身としては甚だ僭越でありますが、私の信ずるところを述べさせていただきたいと存じます。日蓮聖人の....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
べて美術家の領分である。その美術家といえども神の造つた肉体に手を加えるなどという僭越は許されない。 仕事の本質がいささかも、美に関係なく、したがつて美が何だか....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
れた。 汽車に乗って、がたがた来て、一泊|幾干の浦島に取って見よ、この姫君さえ僭越である。 「ほんとうに太郎と言います、太郎ですよ。――姉さんの名は?……」 ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
うと文体が下卑ていて「車を引いて漿を売る人達」が使う言葉を用いているから、そんな僭越な名目はつかえない。そこで三教九流の数に入らない小説家のいわゆる「閑話休題、....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
、どうでもよい。文学に携る人々がこれでは、其作物が固定する。白状すれば、私なども僭越ながら其発頭人の一人である。作物の上に長く煩いした学問の囚れから、やや逃げ道....
現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
所作業に向かっては、ちょっと自己の物識りが鼻にかかるのは常である。この場合当人は僭越などという考えは毛頭ないのである。きいたふうな口を辷らしたなどともとより考え....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
わざそれが再現を期すべく努力を払う行為はこれまた矛盾の誹りを免がれないであろう。僭越ながら私の経験から語れば、今日現存の轆轤工に仁清を解するものないこと、工作す....
日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
身の醤油にしても、一々違いますが、それが区分けが出来るように、こんなことはどうも僭越ですが、いわゆる食道楽の立場から、ぜいたくといえば、ぜいたくといえる最高の嗜....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
の実験に浸っている。まったくわたしのようなものはまずないと信じられる。この点では僭越ながら世上広しといえども、自分は美食家として唯一とはいわないが稀有の存在であ....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
ん。少くともある論者は、融和運動なるものをもって、ある種の優越感を懐いたものの、僭越なる運動だと解しております。あるいは融和運動をもって、傲慢なる運動だと批評し....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
分る。こんな手合いの美味いと言うのを、そのまま、全世界に向かって放送することは、僭越である。 だがまあそれはともかくとして、一に病人の食事と言うが、病人にも嗜....