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僻遠
「僻遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
僻遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
々反対で古賀君が一日《いちじつ》も早く当地を去られるのを希望しております。延岡は
僻遠《へきえん》の地で、当地に比べたら物質上の不便はあるだろう。が、聞くところに....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
手方(翁自身)と雖も十分の舞台効果を挙げる事が出来ない筈である。 しかも地方|
僻遠の地で「翁」ほどの秘曲を理解し、これを演出し得る程に真剣な囃子方、狂言方等は....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
る。我々は終に電車も電灯も瓦斯も電話も水道も無い、有らゆる文明から全く塗絶された
僻遠の地に引込まねばならないかも知れない。我々はアイノ人のように段々奥へ奥へと追....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
が鎌倉に拠ると、元暦元年十月を初発として鎌倉に地震が頻発した。それは王朝時代には
僻遠の地として、武蔵、相模の名で大掴みに記されていたものが、文化の発生と共に細か....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
と国庫の空なるとは、世評の最も唱うる処たり。依て我等老夫婦は、北海道に於ける最も
僻遠なる未開地に向うて我等の老躯と、僅少なる養老費とを以て、我国の生産力を増加す....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
、極めて簡素ではあるが、その形態の内に捨て難き美を含んでいるのである。 地方|
僻遠の田舎に、都会の風塵から汚されずに存在する郷土的玩具や人形には、一種言うべか....
「冬の王」より 著者:森鴎外
を思ったのである。 丁度|浮木が波に弄ばれて漂い寄るように、あの男はいつかこの
僻遠の境に来て、漁師をしたか、農夫をしたか知らぬが、ある事に出会って、それから沈....
「月光の下」より 著者:田中貢太郎
海嘯の起ったのは、陰暦の五月五日の夜であった。まだ陰暦で年中行事をやっている
僻遠の土地では、その日は朝から仕事を休んで端午の節句をやっていた。壮い漁師の家で....
「米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
) 右の如く列挙したる後、同報告者は更に概括していわく、 要するに巡回文庫は、
僻遠の町村住民をして些少し経費にて有益健全なる多数の図書に接することを得しめ、単....
「環礁」より 著者:中島敦
方遥か隔たったT島に変更することに決めたためである。警官は、この用件と、もう一つ
僻遠《へきえん》諸離島の人頭税取立てとを兼ねて、一人の島民巡警を引連れ、内地人の....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
の伝説にも、ある高貴の姫宮が悪疾の為に宮中にいることが出来ず、何の何某がお伴して
僻遠の地に隠し奉るうちに、渡世に困って皮剥ぎを業とし、ついに妹背の契りを結んで何....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
・隠岐の五箇国に関するもののみで、範囲は極めて狭小であるが、これはこれらの地方が
僻遠にあって古い風習の多く伝わっていたという事と、領主に異動がなかったという為で....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
行かないかと誘ったらセーニャを初めその従兄の青年までが大喜びで約束した。全くこの
僻遠の地で、三百人という文明人――彼女らから見れば――の集団をかつて見た事もなか....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
のの、逃亡して浮浪民となったのが多かったに相違ない。 或いは初めからその住居が
僻遠であったが為に、その存在が世に知られずして、公民籍に編入せらるるの機会を得な....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ば上方のような早く開けたところには、今もっていわゆる特殊部落が多く、奥羽のような
僻遠の地には、それが少い。これは奥羽のようなところでは、人民が純朴で、警察事故も....