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償い
「償い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
償いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のに相違ない。アントニイもきっと我我同様、クレオパトラの眼とか唇とかに、あり余る
償いを見出したであろう。その上又例の「彼女の心」! 実際我我の愛する女性は古往今....
「或る女」より 著者:有島武郎
禁厭《まじない》のように思えるからしている事だった。木村にだっていつかは物質上の
償い目に対して物質上の返礼だけはする事ができるだろう。自分のする事は「つつもたせ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
。散々あぶく銭を男たちから絞って、好き放題なことをした商売女が、年老いて良心への
償いのため、誰でもこんなことはしたいのだろう。こっちから恩恵を施してやるのだとい....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
凝《こ》って成ったもの、熱血を注いで何十年かかって書いたものを焼いてしまったのは
償いようがない。死んだものはモウ活《い》き帰らない。それがために腹を切ったところ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
の進運に從い、統制主義國家として新生してこそ過去に犯した世界平和攪亂の罪を正しく
償い得るものである。 三、東亞的統制主義の確立――東亞連盟運動の回顧 世界....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
郷のことを弁明した。これは西郷の愛に酬うことができなかったので自ら弁解をつとめて
償いをし、一方鴨田との愛の問題はもう解決を見ているので一言も云わなかったと考えて....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ために、多年の日記、雑記帳、原稿のたぐいから蔵書一切を焼き失ったのは、一生一度の
償い難き災禍であった。この恨みは綿々として尽きない。(昭和8・3「書物展望」) ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
は死んだのだ。いい部下を、きさまのために失ってしまった。わしは、きさまから十分な
償いを受けたい」 「私だって、ひどめ目にあっている。おたがいさまだ」 戸倉老人....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
て来たそうです。それが両親に知れて、当人はきびしく叱られ、うなぎ屋へはいくらかの
償いを出して済んだことがありましたが、その以外には別に思い当るような事もありませ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
るだろう。しかしそこでおまえの生活が中断するのを俺たちはすまなく思う。しかしその
償いにともちゃんを得た以上、不平をいわないでくれ。な、そうしておまえは新たに戸部....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
金具、高蒔絵の、貴重な仏壇の修復をするのに、家に預ってあったのが火になった。その
償いの一端にさえ、あらゆる身上を煙にして、なお足りないくらいで、焼あとには灰らし....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
。きみに詫びる。謝罪する。……失礼だがきみの、身分を思って……生半可の横啣えで、
償いの多少に依りさえすればこんな事はきっと出来ると……二度目にあの塚へ、きみが姿....
「古事記」より 著者:太安万侶
ヅシ孃子を得ました」と言う。しかるに兄は弟の結婚したことを憤つて、その賭けた物を
償いませんでした。依つてその母に訴えました。母親が言うには、「わたしたちの世の事....
「六日月」より 著者:岩本素白
ながら、もう大分移った六日月の影を眼で追って、私は始めて今日一日の騒がしい行動の
償いをなし得たと思った。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
躍するのではないだろうか。そんな風になれば今日までの科学文明の立ち遅れ等は容易に
償い得るであろう。 満州建国間もなく、民族協和徹底のためには東亜新秩序成立の必....