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「優柔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

優柔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
人のように強固になった。その顔つきからも振舞いからも、いつとはなしに、疑惑の影や優柔不断の色――一言にしていえば、一切のぐらぐらした不安定な面影が消えうせたので....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
一度逢うて見たいと思うて、きょう呼び寄せた。もうやがて参るであろうよ」 幾分か優柔という批難こそあれ、忠通は当代の殿上人《てんじょうびと》のうちでも気品の高い....
私の母」より 著者:堺利彦
いるとするなら、それは父の方からの欠点である。もしまた私に、不器用な、不活溌な、優柔不断なところが大いに存在しているとするならば、それは母の方からの弱点である。....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
して人民に施術をしていたが、時勢移って藤原氏となるや、にわかに藤原氏の被官となり優柔不断の殿上人どもは好んで顔の手入れをさせた。源平二氏の争った頃には平家に仕え....
新ハムレット」より 著者:太宰治
家の血を受けて生れて来た男です。君もご存じのように、ハムレット王家の血の中には、優柔不断な、弱い気質が流れて居ります。先王も、わしも、幼い時から泣き虫でした。わ....
春昼」より 著者:泉鏡花
。月に白衣の姿も拝もう。熱あるものは、楊柳の露の滴を吸うであろう。恋するものは、優柔な御手に縋りもしよう。御胸にも抱かれよう。はた迷える人は、緑の甍、朱の玉垣、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ろうと思って。ええ、親方、決してその御迷惑を掛けるもんじゃありません。」 で、優柔しく頬被りを取った顔を、と見ると迷惑どころかい、目鼻立ちのきりりとした、細面....
死者の書」より 著者:折口信夫
れた。ちょっと見は何でもない事の様で、実は重大な、家の大事である。其だけに、常の優柔不断な心癖は、益々つのるばかりであった。 寺々の知音に寄せて、当麻寺へ、よい....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て見付けますなあ。」 「ははあ、なんぞ必ずしも多く労するを用いん。国民皆|堕落、優柔|淫奔になっとるから、夜分なあ、暗い中へ足を突込んで見い。あっちからも、こっ....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
いとした微笑ましいエピソードぐらいに見えるけれど、まっとうな人間――ことにそれが優柔不断な思い切りの悪いモスクヴァ人の場合だと、否が応でもだんだんに厄介千万な一....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
た。一人は、年老いて、銀髪の、慈愛に輝く顔をしていたし、若者のほうはすらりとした優柔な姿で、顔立ちもじつに美しい均斉を保っていたが、ただその眼と態度は、極度の憂....
決闘」より 著者:神西清
人連が集まって、ヴィント〔〕をしたり冷やし麦酒を飲んだりするのである。 「おれの優柔不断なところはハムレットそっくりだ」と途々ラエーフスキイは考えた、「シェーク....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
も、一度や二度ではなかった。――それは男性的と女性的、活発としぶとさ、堅忍不抜と優柔不断などの混合物であって――問題がなんであろうと、はっきりした決定を与えるこ....
「はつ恋」解説」より 著者:神西清
一騎兵大佐にすぎず、母よりも六つも年下であるばかりか、その性格も冷やかで、弱気で優柔で、おまけに頗る女好きな伊達者であったと伝えられています。この女暴君と伊達者....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
に党の運営の為東奔西走しつつあるのであるが、よく人は私を「まあまあ居士」だとか「優柔不断」だとか「小心」だとか「消極的」だとか、いろいろ批評されているが、およそ....