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儲け口
「儲け口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
儲け口の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
」 と云いながら、立ち上がった。どてらが、 「全くだ。儲けようったって、今時そう
儲け口が転がってるもんじゃない」 と幾分か自分に対して恩に被《き》せるように答え....
「透明猫」より 著者:海野十三
めた。 「いやです。ぼくはいやです」 「ばかだねえ、お前さんは。こんなすばらしい
儲け口は又とないよ。どうやすく見つもっても億円のけたのもうけ仕事だ。それをにがす....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであった。其月はまた笑った。 「おまえも慾がふかい男だ。商売のほかにいろいろの
儲け口をあせるのだな」 「世が悪くなりましたからね。本業ばかりじゃ立ち行きません....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、坊やと三人で食堂で幕の内を食べて別れたけれど、男もああなると駄目ね。何だかいい
儲け口があるから、北海道へ行くとか言ってたけれど、その旅費がほしかったのかも知れ....
「足迹」より 著者:徳田秋声
見に、栗山の方へ、仲間と一緒に出向いて行った。大分|費い込みの出来た叔父は一層|
儲け口を見脱すまいとして燥っていた。 「これが当れば、お前にだって水仕はさしちゃ....
「杉垣」より 著者:宮本百合子
果してあるかね。商売人はどんなことをしたって儲けようとしているんだからね。しかも
儲け口たるや、本に書いてないところにしかありっこない。これは公理だよ」 戸田は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つつ、洋学が出来ないばっかりで、宝の庫に入りながら、指を銜《くわ》えて、みすみす
儲け口を取逃がしてしまうのが残念でなりません」 七十三 お絹....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
さうかといつて社員には尚さらなれない。諸方の会社や資本家にわたりをつけておいて、
儲け口を売りこむといふ天性の自由業、まともなことは何一つできない。 さすがに然....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
という心持から、一緒に行く気になったのであり、弁太は弁太で行を共にしたら、うまい
儲け口があるかもしれない。――そう思って行くことにしたのであった。 勘右衛門に....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
宵を待っていた今日というこの十三日――待てば海路の何とやらで、これはまたどえらい
儲け口が、棚から牡丹餅に転げ込んで来た溢《こぼ》れ果報《かほう》。 昼のうち、....
「港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
洋服の男はどろんとした手でまたテーブルの上をどんと打った。 「なんです、何か旨い
儲け口ですか」 謙作はそう云って魚軒を口にしながらその後で盃を持った。 「そん....