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「兄貴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兄貴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
の弟は従兄以上に「仕事師」だけにいろいろの障害を見越していた。 「何しろこの間も兄貴《あにき》の友だちなどは××新聞の社会部の記者に名刺を持たせてよこすんです。....
手紙」より 著者:芥川竜之介
てれ切った顔をしていました。 「煙草ものまなければ酒ものまないなんて、……つまり兄貴《あにき》へ当てつけているんだね。」 K君も咄嗟《とっさ》につけ加えました....
高野聖」より 著者:泉鏡花
来た病人、その頃はまだ子供、朴訥《ぼくとつ》な父親が附添《つきそ》い、髪の長い、兄貴がおぶって山から出て来た。脚に難渋《なんじゅう》な腫物《はれもの》があった、....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
よ。君も少しは満足したろう」 「実際の山の形にくらべて見たまえ。‥‥僕は親父にも兄貴にもすまない」 と君は急いで言いわけをする。 「なんで?」 Kはけげんそう....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
の出獄するのを指折りかぞえて待っていたんだぜ」 「それはどうも済みません、だが、兄貴の言葉にゃ従いかねる」 「お前はお志万が嫌いかい。はっきり返事をしなさい」 ....
暗号の役割」より 著者:海野十三
名人の顔に疲労の色が浮かぶ。 「まだかね」 碇が、たまりかねて声をかけた。 「兄貴、黙っていてくんねえ」 叱られた。 「なるほど。こんなに時間がかかるようじ....
恐竜島」より 著者:海野十三
でしょう」 「どれなんだ」 「ほら、あそこにぶよぶよしているものがいますぜ」 「兄貴ありゃ、恐竜の赤ん坊だよ」 卵からかえったばかりらしい恐竜の赤ん坊が、四匹....
兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
(尤も菊池は飽きるかも知れないが、)それと云うのは、菊池と一しょにいると、何時も兄貴と一しょにいるような心もちがする。こっちの善い所は勿論了解してくれるし、よし....
錦紗」より 著者:犬田卯
、それから五十銭や十銭一銭など十数個入っていたのだった。十円は母からことずかって兄貴と自分の野良着に仕立てる紺木綿を買う予定のもの、そして残りの五円なにがしこそ....
」より 著者:犬田卯
それから畦に投げ出されていた泥掻きを取って、母親が切りかえしている田の一方へ父と兄貴が浚い上げる例の泥土を、その中ほどまで掻いて来るという単純ではあるが子供の身....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
もう二十五年にはなろう。彼には一人の妹がある。東京で女中奉公しながら、可哀そうな兄貴の世話をしてくれと言って、村の親戚へ、時々五円十円と送って来るそうである。し....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
貧乏な俺たちのためにモデルになってくれたのだ。いいか。ところでともちゃんのハズの兄貴にあたるのが、ほんとうは俺たち五人の仲間の一人で、それがともちゃんに恋をして....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
は廓外で、お物見下のような処だから、いや遣手だわ、新造だわ、その妹だわ、破落戸の兄貴だわ、口入宿だわ、慶庵だわ、中にゃあお前|勾引をしかねねえような奴等が出入を....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
人肌ではなかった。初めから長袖を志望して、ドウいうわけだか神主になる意でいたのが兄貴の世話で淡島屋の婿養子となったのだ。であるから、金が自由になると忽ちお掛屋(....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、「丁度君には適当の位置だ。こうして辛抱していれば追々高等官になれる、」と大いに兄貴ぶりを発揮して二葉亭に辛抱を勧告した。 「親切な好い男だが、高等官になれば誰....