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充たす
「充たす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
充たすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は努力を単なる苦痛とのみは見ない。人類に特に発達した意識的動向なる道徳性の要求を
充たすものとして感ぜられる。その動向を満足する為めに人類は道徳的努力を伴う苦痛を....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
うほどのことで、本当に打解け合った親しい間柄ではなかった。 たぶんそんな餓えを
充たすのだったろう。僕はよく飯倉の親戚の家へ出かけた。従兄の山田良之助(今陸軍の....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
。「俺は元来うつろの人間で人から充たされる性分だ。おまえは中身だけの人間で、人を
充たすように出来てる。やっと判った」とその当時言った。 それから十余年の歳月は....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
て国民実力の進歩を図るに必要なり、平等主義は国家の安寧を保持して国民多数の志望を
充たすに必要なり、ゆえに国家論派はこの二原則を政事上の重要なる条件と見做す。あえ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
なる自然あるのみである。われと物と一なるがゆえにさらに真理の求むべきなく、欲望の
充たすべきなく、人は神と共にあり、エデンの花園とはかかる境涯をいうのである。しか....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
わしはお前を新《あらた》に叱るぞ」 「は」 「地下戦車の研究は、お前一個の慾望を
充たすために、命ぜられているものではない。おそれおおくも、皇軍の高度機械化を一日....
「地球要塞」より 著者:海野十三
してみても、資源の足りないことは、ついに蔽《おお》いがたい。つまり、人間の欲望を
充たすためには、地球の資源では不足だという時代になっているのだ。そう思わないかね....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
巡り会わない日本人はようやくその代用品を見つけて、衣を着た肉の揚物に対する執着を
充たすだけで我慢しなければならぬ。それは犢の肉のカツレツである。フランスではコト....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
まで強いのであるが、しかし在来の神学的ドグマは、到底彼の鋭利直截なる研究的良心を
充たすに足りなくなったのであった。彼は自身霊媒たる前に、片端から知名の霊媒の実験....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
て頂いた方が、どんなに有難いか知れません。物を集めるということは、自分の趣味性を
充たすと同時に、やはり具眼者に見て頂いて、その批評を承わるのが、目的の一つでござ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
うの浮浪人たらざるを得なかった。中には霊の飢餓を訴うるものがあっても、霊の空腹を
充たすの糧を与えられないで、かえって空腹を鉄槌の弄り物にされた。 二葉亭の窮理....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
で再び彗星の如く隠れてしまう意であったが、財政上の必要が『片恋』一冊の原稿料では
充たすに足りなかったので、あたかも凱旋将軍を迎える如くに争い集まる書肆の要求を無....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ている。煙筒、鉄橋、亜鉛張りの屋根、瓦の砂漠、――そして疲れた職工――その肉欲を
充たすための娼妓と売淫婦、すべてが倦怠ですべてが革命的神経衰弱に患っている。 ....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
また一方においては、牛馬の皮革の需要はかなり多かった。その肉もまた無論口腹の慾を
充たすに足るものである。捨てられた老牛馬や斃牛馬の皮革を利用することなく、またそ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
数が減じこそすれ、自然増加の率は少く、しかも陵墓の数は世とともに増加して、需要を
充たすに足らなくなる。そこで持統天皇の五年に、陵戸の数を定め、先皇の陵には五戸以....