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兆
「兆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
って、鯉《こい》や鮒《ふな》が泥の中で喘《あえ》ぎますやら、いろいろ凶《わる》い
兆《しらせ》がございました。中でも殊に空恐ろしく思われたのは、ある女房の夢枕に、....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
いた。……
三十年の後《のち》、その時の二人の僧、――加藤清正と小西行長とは八
兆八億の兵と共に朝鮮八道へ襲来《しゅうらい》した。家を焼かれた八道の民は親は子を....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
の町の人々もそんなことは夢にも考えなかったと言うことです。若し少しでもその前に前
兆《ぜんちょう》らしいことがあったとすれば、それはこう言う話だけでしょう。何《な....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ビョウキ、スグカエレ」と書き直した。それでも「ワルシ」と書いた事が、何か不吉な前
兆《ぜんちょう》のように、頭にこびりついて離れなかった。
「おい、ちょいとこれを....
「竜」より 著者:芥川竜之介
らせせら笑って、『御坊は善い夢を見られたな。いやさ、竜の天上するなどと申す夢は吉
兆じゃとか聞いた事がござる。』と、鉢《はち》の開《ひら》いた頭を聳《そびや》かせ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
が、何となく恐しいような気がしたのでございます。あるいは事によるとこれも、あの前
兆だったかも知れません。私は突然この恐しさに襲われたので、大時計を見た眼を何気な....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
》になると間もなく、板倉佐渡守から急な使があって、早速来るようにと云う沙汰が、凶
兆《きょうちょう》のように彼を脅《おびやか》したからである。夜陰に及んで、突然召....
「或る女」より 著者:有島武郎
ょうじょう》」という文芸雑誌だの、春雨《しゅんう》の「無花果《いちじく》」だの、
兆民居士《ちょうみんこじ》の「一|年有半《ねんゆうはん》」だのという新刊の書物も....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
かような美女が片田舎《かたいなか》に生れたのも国が世がわり、代《だい》がわりの前
兆であろうと、土地のものは言い伝えた。
嬢様は帰るに家なく、世にただ一人となっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に合いました。実は好都合と云って宜しいので、これと申すも、偏に御縁のごわりまする
兆でごわりまするな、はあ、」 酒井も珍らしく威儀を正して、 「お呼立て申して失....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
が替わったりしていた。そろそろと地の中に引きこまれて行くような薄気味の悪い零落の
兆候が町全体にどことなく漂っているのだ。 人々は暗々裏にそれに脅かされている。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
人間の企図や出産、死亡またそれに次いで起る相続問題などに際して幸運あるいは不幸の
兆を示すものと信じられていた。こういう吉凶の前
兆は必ず事実となって現われるもので....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
郷の家の、書院の構えにそっくりで、懐しいばかりでない。これもここで望の達せらるる
兆か、と床しい、と明が云って、直ぐにこの戸棚を、卓子擬いの机に使って、旅硯も据え....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
畳みに懐中へ捻込んで、何の洒落にか、手拭で頬被りをしたもんです。 門附になる前
兆さ、状を見やがれ。」と片手を袖へ、二の腕深く突込んだ。片手で狙うように茶碗を圧....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ドイツ参謀本部は経済参謀本部の設立を提議している。無意識の中に持久戦争への予感が
兆し始めておったのである。この事は人間社会の事象を考察するに非常な示唆を与えるも....