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「先々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

先々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
かせていた。その葉はまた全体も揺《ゆ》らぎながら、細《こま》かに裂《さ》けた葉の先々をほとんど神経的に震《ふる》わせていた。それは実際近代的なもの哀れを帯びたも....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
入った村里を廻る遍路のような渠等には、小唄|浄瑠璃に心得のあるのが少くない。行く先々の庄屋のもの置、村はずれの辻堂などを仮の住居として、昼は村の註文を集めて仕事....
春昼」より 著者:泉鏡花
どちらに御逗留?」 「私? 私は直きその停車場最寄の処に、」 「しばらく、」 「先々月あたりから、」 「いずれ、御旅館で、」 「否、一室借りまして自炊です。」 ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
そこにいた二人は田舎者らしく、だんだん懇意になって話してみると、一人は挙人老爺の先々代に滞っていた古い地租の追徴であった。もう一人は何のこったか好く解らなかった....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
ど孤独な悲しい生活をして来たかは、君には信じられないくらいだ。僕の病気は僕の行く先々にまるで幽霊みたいに立ちふさがって、僕は人間を逃げていた。僕は厭人家と見なさ....
中支遊記」より 著者:上村松園
那に移したような身のまわりであった。衣服も改まるわけでなく、食べものもずっとゆく先々で京都にいる時とあまり変らぬ日本料理がいただけたし、身体にも気持にも大した変....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
三|亥年はしか流行の節は御用|込合順番札にて差上候儀は全く無類和かに製し上候故御先々様にてかるかるやき処文政七|申年はしか流行このかた御用重なる御重詰御折詰もふ....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
る部屋住で、自分の書斎らしい室さえもなかった。緑雨のお父さんというは今の藤堂伯の先々代で絢尭斎の名で通ってる殿様の准侍医であった。この絢尭斎というは文雅風流を以....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ったが、おまわりさんが三人も入って勤務している。こわふしぎと聞けば、岡東の話に、先々月二十五日にこの附近一帯が焼けてしまってからは、お巡りさんの交番も数がうんと....
最小人間の怪」より 著者:海野十三
この秘話をしてくれたN博士も、先々月この世を去った。今は、博士の許可を得ることなしに、ちょっぴり書き綴るわけだ....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
私のように理科や工科の人であったり、或いは画家であっても困ると思って細田氏の行く先々にも度々ついて行きましたが、都合のよい事に細田氏は無職で毎日何をするという事....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
一度、二人をふしぎな国に案内してくださる。先月は海底都市へ連れていってもらった。先々月は大宇宙のはてまで案内してもらった。さて今月はどんなふしぎな世界にひっぱっ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
った。勿論油断して岩を枕に午睡したのがこちらの不覚。併し懐中無一文の武者修業、行先々の道場荒し。いずれ貧乏と見縊って、腰の印籠に眼を付けたのが憎らしい。印籠は僅....
獄中消息」より 著者:大杉栄
ンに掛けた。人の血を吸う奴はみなこうしてやるに限る。 * 宛名・日付不明先々月の二十二日にここに入れられたまま一昨日はじめて外へ出た。それは公判の下調べ....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
くなった。この女は、まるで誰かに頼まれでも仕た様に、この土地へ来てから自分の行く先々に付いて廻る。実に面白くも無い邂り合せだ。 だが女は、小田島がそんな腹で居....