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先へ
「先へ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先への前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
云いつけなさいましたが、翌朝は※々《そうそう》あの老爺《おやじ》を、朝曇りの御庭
先へ御召しになって、
「こりゃ平太夫、その方が少納言殿の御恨《おうらみ》を晴そう....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
愉快である。彼はズボンのポケットの底の六十何銭かも忘れたまま、プラットフォオムの
先へ歩いて行った。ちょうどワグラムの一戦に大勝を博したナポレオンのように。……
....
「河童」より 著者:芥川竜之介
木が一本、太ぶとと枝を張った下へ来ると、幸いにも放牧の牛が一匹、河童の往《ゆ》く
先へ立ちふさがりました。しかもそれは角《つの》の太い、目を血走らせた牡牛《おうし....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
、旅籠の勘定を誤ったとあっては、末代《まつだい》までの恥辱になるわ。その方は一足
先へ参れ。身どもは宿まで取って返そう。」――彼はこう云い放って、一人旅籠へ引き返....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
でなすった時でも、私《わたくし》が御使いから帰って見ると、こちらの御新造は御玄関
先へ、ぼんやりとただ坐っていらっしゃる、――それを眼鏡越しに睨《にら》みながら、....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
う、見や。」
河内山は、小声でこう云って、煙管の雁首《がんくび》を、了哲の鼻の
先へ、持って行った。
「とうとう、せしめたな。」
「だから、云わねえ事じゃねえ。....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
声が、だんだん遠い所へ消えてしまう。そうして、眼に見えない分銅《ふんどう》が足の
先へついてでもいるように、体が下へ下へと沈んで行く――と思うと、急にはっと何かに....
「女」より 著者:芥川竜之介
、ふと何か思いついたように、薔薇の葉と花との隙間《すきま》をくぐって、一つの枝の
先へ這い上った。先には土いきれに凋《しぼ》んだ莟《つぼみ》が、花びらを暑熱に※《....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
じんりきしゃ》が、大通りをこちらへ切れようとしている。――その楫棒《かじぼう》の
先へ立つが早いか、彼は両手を挙げないばかりに、車上の青年へ声をかけた。
「兄さん....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
、聊《いささ》か西洋人じみた疎《まばら》な髯を貯えている。これはつんと尖った鼻の
先へ、鉄縁《てつぶち》の鼻眼鏡をかけたので、殊にそう云う感じを深くさせた。着てい....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ているのは肉体的に不快だった。彼は二本目の「朝日」に火をつけ、プラットフォオムの
先へ歩いて行った。そこは線路の二三町先にあの踏切りの見える場所だった。踏切りの両....
「少年」より 著者:芥川竜之介
》。」
保吉は思わず少女を見つめた。少女はもう大真面目《おおまじめ》に編み棒の
先へ目をやっていた。しかしその顔はどう云うものか、前に思ったほど生意気ではない。....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
三田《みた》行の電車へのり、僕は上野《うえの》行の電車にのった。そうしてどっちか
先へのったほうを、あとにのこされたほうが見送るという習慣があった。今日《きょう》....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
けになってたまるものか」 婆さんはどこからとり出したか、眼をつぶった妙子の顔の
先へ、一挺のナイフを突きつけました。 「さあ、正直に白状おし。お前は勿体なくもア....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うずたかく積みあげられて林檎汁しぼり機にかけるようになっているものもある。さらに
先へ進むと、玉蜀黍の大きな畠には、黄金色の実が葉のような包みからそとをのぞいてい....