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先下り
「先下り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先下りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
すましていそうに思えるだけ、伸子の胸をかすかにどきつかせるのだった。
門まで爪
先下りの砂利道を、伸子は遠慮なく歩いて、うすら寒い明けがたの通りをサン・タントワ....
「伸子」より 著者:宮本百合子
な飾窓《ショーウインド》について角を左へ曲った。表通りから入ると俄に暗く、緩く爪
先下りになった鋪道の足許さえよくは見えないようであった。行手の大通り一つ隔てた彼....
「南路」より 著者:宮本百合子
げたポーターの、盤石のような背後に従って、黙って改札口を通り抜けた。 先は、爪
先下りのだらだら坂になっている。それが尽きるところから人の顔も見分け難い薄暗闇の....
「破落戸の昇天」より 著者:森鴎外
は石に触れて火花を散らした。ツァウォツキイは車の小さい穴から覗いて見た。馬車は爪
先下りの広い道を、谷底に向って走っている。谷底は薔薇色の靄に鎖されている。その早....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
うか。このような疑問の岐路に立ってある人は何の躊躇もなく一つの道をとる。そして爪
先下りのなだらかな道を下へ下へとおりて行く、ある人はどこまでも同じ高さの峰伝いに....
「晩夏」より 著者:堀辰雄
を通って外人部落のなかに消え、もう一方はこれは昔ながらの村道らしく、西に向って爪
先下りに下がっていって、二町程先きで森のなかにはいっている。森の上には黒姫山が大....
「道連」より 著者:豊島与志雄
り眺める隙はなかった。十時の列車に乗り後るれば、一晩後れることになるのだった。爪
先下りの曲りくねった道を、出来るだけ足を早めて下りていった。所々に崖崩れがしてい....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
のは、床の高低一つでも大きな影響を及ぼすものであって、店の床は道路面から少しく爪
先下りくらいになっているのが入り易く、また内の商品も床の低い方が賑やかに見えるな....
「雁」より 著者:森鴎外
うと思うよ」と、岡田は云った。 暫くして右側が岩崎の屋敷の石垣になって、道が爪
先下りになった頃、左側に人立ちのしているのに気が附いた。それが丁度いつも自分の殊....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
間の後であった。行手は透間もなく黒木と笹とに掩われた毘沙門山である。夫を避けて爪
先下りに右の方へ二、三十間も行くと、※の固まったような河床を穿って、水が潺湲と流....