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先人
「先人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
もの》ぞと、勇気日頃に百倍し、半身裸体に雨を浴びてぞ突進する。こんな場合にいつも
先人を争う髯将軍はいかにせしぞと後《のち》に聴けば、将軍、剛力の遅々《ぐずぐず》....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
明らかになるに従って、次第に蔗《さとうきび》を食らうがごとく、そのうちに含まれた
先人未知の真理の甘味が、彼らの心に浸みついていた。 彼らは、邦人未到の学問の沃....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
如く、落石や雪崩の危険のため今まで人の省みなかったところを好んで登路とし、決して
先人の後塵を拝せず、敢然第一線に立って在来不能とされていたコースをつぎつぎとたど....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に心細くもおぼつかなくも思ったであろう。苦しんでも悶えてもいい考えは出なかった。
先人の残した足跡を辿って、わずかに nachdenken するばかりで、みずから....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
の際まで黙し候 さ候えども、一旦親戚の儀を約束いたし候えば、義理堅かりし重隆殿の
先人に対し面目なく、今さら変替相成らず候あわれ犠牲となりて拙者の名のために彼の人....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
絶えずおそわれ、昼夜を分かたずその悪夢の毒気を吸いながら、かの狂暴残忍なローマの
先人たちよりも更に物凄い死を遂げた。 ラザルスは又、ある青年と彼の愛人のところ....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
うな共存感からの他人の贈る物を受けることを意味する。 人間共存のシンパシィと、
先人の遺産ならびに同時代者の寄与とに対する敬意と感謝の心とをもって書物は読まるべ....
「芸術上の心得」より 著者:倉田百三
はすなわち良い作の生まれる原動力になる。 一、よく読書すること。 われわれの尊い
先人の作をできるだけ熱心に読まねばならぬ。これを怠っては芸術の成長の一つの大きな....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
程度に愛すれば足りると考えることは私にはできません。ことにキリストや釈迦のような
先人を持っている私は、与えらるるものを持ちながら与えずにいるのをシュルドとして感....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
り。哀悼愁傷、号泣慟哭、一|枝の花に涙を灑ぎ、一|縷の香に魂を招く、これ必ずしも
先人に奉ずるの道にあらざるべし。五尺の男子、空しく児女の啼を為すとも、父の霊|豈....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
扁額までも寒月ずくめの寒月の間というのが出来た位である。寒月の放胆|無礙な画風は
先人椿岳の衣鉢を承けたので、寒月の画を鑑賞するものは更に椿岳に遡るべきである。 ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
して気楽でなかった。気楽どころかむしろ逼迫していた。これより二、三年前、二葉亭の
先人は官を罷めて聊かの恩給に衣食し、二葉亭の毎月の学費も最後の一、二年は蓄財を割....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
船を下りる。|獅子が岡のほとりで古戦場(ワーテルロー)の跡をたずね、海牙の街では
先人賢者(スピノザの銅像)をおとなう。伊国の冬の三カ月は草もすでに青々として、瑞....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
処ででも独創でものをいっているのだが、定家はくりかえし親の訓えとか重代の名とか、
先人の庭訓だとかいう詞を用いるようになって来ているのである。定家の意図はほぼ明ら....
「特殊部落の言語」より 著者:喜田貞吉
長とともに自然に匡正される結果にほかならぬ。しかしながらその子供の方言の全部が、
先人の言葉の通りに匡正されるものではない。知らず知らずの間に少しずつの変化が起っ....