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「先回り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

先回りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にころがってますぜ」 さすが伝六もおひざもとの岡っ引き、さしずをうけないうちに先回りして、犯跡の証拠収集に努めていたものか、右門のことばに応じて、庭先からそう....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りましたよ」 「そうかみろ! のどかなあにいに、ヒリリと一本、小粒の辛いところを先回りされたじゃねえか! じゃ、そっちの町人衆! 青ざめていねえで、早く乗りなよ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
観音様へお参りしながらけえってくるとね――」 「そこで見たのか」 「いいえ、そう先回りしちゃいけませんよ。話はこれからまだずっとなげえんだから、まあ黙ってお聞き....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たところによると、そのほう当年八歳になるせがれ仁吉《にきち》と相はかり、仁吉めが先回りいたしては人目をかすめて玄関先へ忍び入り、はさみをもって鼻緒を切り断ちたる....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
した。ボーイ長までも、ウッカリほほえんだ。水夫たちも笑った。 「マ、待ちたまえ、先回りしちゃいけないよ。実際だね。僕だって、もう二十五になるんだからね。恋も、愛....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おてがら、おてがら。どうもちっと変じゃござんせんか」 「なんでえ。じゃ、きさま、先回りして九軒をもう洗ってきたのか」 「悪いですかい」 「たまに気がきいたかと思....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いたころ、そこまでついて行った勝重は清助と共に、急いで列を離れた。これは寺の方に先回りして一行を待ち受けるためである。万福寺にはすでに近村から到着した会葬者もあ....
華々しき一族」より 著者:森本薫
目じゃないわ。妾だって物事を考えないでする方じゃないのよ。ただ結果の方が妾達より先回りしてばかりいるんだわ。妾だって困るわ。こんなんなら、始めから何にもしなかっ....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
げて之を自分に帰着させたり還元したりするとなれば、之は政治活動その他の社会関係を先回りして、まず文化から話しを始める処の文化主義に他ならなくなる。自由主義は経済....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
とは滑稽なことだからである。 ではどういうものが含蓄ある意味での文学であるか。先回りをして云って了えば、一切の対象をモーラリストの立場に於て秩序づけることが、....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の情勢を予め齎すことが出来ないのではない。人民戦線的文化運動が政治上の人民戦線の先回りをすることが出来るということは、この場合尊重されていい事情なのだ。 だが....
技術へ行く問題」より 著者:戸坂潤
が、出来るプロセスが判れば、それが本当に製造出来たということである。細胞学者は、先回りして色々の疑似細胞を人工的に造っては、本物と似ていないかと比較している。之....
熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
。これから熊の進んで行く方面は、私に分かりました。そこで私は、充分に装填して熊の先回りをして、谷の底で待っていると熊は三十間ばかり上方の沢を渡って叢の残雪のなか....
秘密」より 著者:平林初之輔
しがた桜木町で降りたみな子ではないか。 私がカフェへはいっている間に、彼女が、先回りして、ここまで来ているということは、ただ一つのことしか意味する余地がない。....