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先度
「先度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
行った。 「お前にはいろいろ恩になりました」と、玉藻は途中で初めて言い出した。「
先度《せんど》も物に狂うた法師にとらわれて、ほとほと難儀しているところを、お前に....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
寛永《かんえい》三年六月に秀忠はかさねて上洛した。つづいて八月に家光も上洛した。
先度の元和の上洛も将軍家の行粧《ぎょうそう》はすこぶる目ざましいものであったが、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と云って、すぐに近所の自身番へ連れて行って、徳次がきびしく責めました。わたくしも
先度の腹癒せに引っぱたいてやりました。いや、乱暴なわけで……。さすがの半介もぎゅ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
戸などを明けはじめると、さらに又思いもよらない椿事の出来しているのに驚かされた。
先度とおなじ蔵のまえに、かの重吉が死んでいるのであった。かれの顔や手先は所嫌わず....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
、なんとかもう少し考えようはないか。両親兄弟が同意でなんでお前に不為を勧めるか。
先度は親の不注意もあったと思えばこそ、ぜひ斎藤へはやりたいのだ。どこから見たって....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も一緒に出た。 幸いに強い雨ではなかったが、きょうもしとしと降りつづいている。
先度の小金井行きとは違って、三人は雨支度の旅すがたで、菅笠、道中合羽、脚絆、草鞋....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いらしく、敵はまっしぐらにそれを乗り越えて来た。第三線もまた破られた。 蛇吉は
先度のように呪文を唱えなかった。股引も脱がなかつた。彼は持っている手斧をふりあげ....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
高畠与三の二人を付随わせた。二人はいずれも武勇の士であった。 与二は政元の下で
先度の功に因りて大に威を振ったが、兄を討ったので世の用いも悪く、三好筑前守はまた....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
かれてしまったが、別に怪しいこともなかった。 それから五、六カ月の後、ふたたび
先度の北門外へ行くと、そこは空き家で、主人らしい者は住んでいなかった。(異聞総録....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
由で御座りましたろうと機嫌取りどり笑顔してまめやかに仕うるにさえ時々は無理難題、
先度も上田の娼妓になれと云い掛しよし。さりとては胴慾な男め、生餌食う鷹さえ暖め鳥....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
とがございます。わたくしの友人のTという男――みなさんも御承知でございましょう、
先度の怪談会のときに「木曽の旅人」の話をお聴きに入れた男です。――あの男が二、三....
「座右第一品」より 著者:上村松園
同じ図がありまして、私は嘉三郎さんの方のを縮図させて貰ったのを覚えて居りますが、
先度、長左衛門さんの方のが売立に出たことがありましたので、久し振りに拝見に出まし....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
含んで薄紅い。 「そこから見えますか、秋色桜。」 「暗うて、よう見えへんけど……
先度昼来ておそわった事があるよって、どうやらな、底の方の水もせんせんと聞えるのえ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
当時わたしは思った。これは歌舞伎劇一派に取っていよいよ大洪水の日が来たのである。
先度の日清戦争において、歌舞伎派はみごとに新派に打破られて、かれらをして今日の地....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
介な罪人に対しては係り役人らの憐愍も同情もなかった。吉五郎は吟味の役人に対して、
先度の御吟味があまりに手痛いので自分は心にもない申立をいたしたのであるが、小間物....