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先蹤
「先蹤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先蹤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
民的自覚の勃興《ぼっこう》を示してから間もなくの事であった。すでに自然主義運動の
先蹤《せんしょう》として一部の間に認められているごとく、樗牛《ちょぎゅう》の個人....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
を見学してその事業的規模の大なるには驚いたが、編集態度においては岩波文庫が、その
先蹤たるレクラム文庫を恥ずかしむるものでないと、ひそかに慰むるところがあった。 ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
でもない、蕪村でも大雅でもない。尺寸の小幀でも椿岳一個の生命を宿している。古人の
先蹤を追った歌舞伎十八番のようなものでも椿岳独自の個性が自ずから現われておる。多....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
宋時代の茶の湯のロマンスは彼の茶|碗には見ることができない。 日本はシナ文化の
先蹤を追うて来たのであるから、この茶の三時期をことごとく知っている。早くも七二九....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
る、或る過去の特殊の部族の由来顛末を明らかにすることは、将来解放せらるべきものの
先蹤として、研究上最も必要なる事にこれ有り、その過去の沿革を調査することが、何ら....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
させて、小田原へ取り詰めた。 最初北条方の考では源平の戦に東軍の勝となっている
先蹤《せんしょう》などを夢みて居たかも知れぬが、秀吉は平家とは違う。おまけに源平....
「連環記」より 著者:幸田露伴
者二十人を記したのに傚ったものであるが、保胤往生の後、大江匡房は又保胤の往生伝の
先蹤を追うて、続本朝往生伝を撰している。そして其続伝の中には保胤も採録されている....
「省察」より 著者:デカルトルネ
ならぬと私は判断したのである。またこの問題を説明するために私が辿る道は、ほとんど
先蹤のないもので、一般の慣用から極めてかけ離れたものであるので、智能の脆弱な者が....
「映画芸術と映画」より 著者:戸坂潤
術でない映画の区別も出て来るわけで、と云うのは映画は断じて文学や何かという偶然な
先蹤芸術からの類推から独立しなければならないのであって、そのためには自分自身で何....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
意のテルミノロギーを用いる人にとって、デモクリトスさえが――プラトンのイデア論の
先蹤だという理由で――観念論者に見えるということは、今の吾々にとって一向に差閊え....
「辞典」より 著者:戸坂潤
ではエスペラント運動の観念の先駆でもあるが、他方に於て今日の所謂「近代論理学」の
先蹤をなすものなのである。――論理学が機械的に形式的に合理化された極端な形が之で....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
「金色夜叉」から、晩年は秋成の「雨月物語」まで演じて、 「あれはまさに徳川夢声の
先蹤《せんしょう》をなすものだったねぇ」 と、いつもそのたんび吉井師は、感慨深....
「科学批判の課題」より 著者:三木清
も彼が真の哲学者として、社会科学を批判しようと欲するならば、彼はあたかもカントの
先蹤に倣《なら》って、社会科学の基礎づけの仕事に従事すべきであろう。否、かくのご....
「マルクス主義と唯物論」より 著者:三木清
。したがって唯物論はその限りにおいてまず現実主義、実証主義を意味する。マルクスの
先蹤として、宗教的イデオロギーの批判に従事したフォイエルバッハは、すでに記してい....
「山の人生」より 著者:柳田国男
て、永く追慕を受けている国であった。いわば山人思想の宗教化ということには、正しく
先蹤があったのである。我々平民の祖先は、国土平定というごとき記念すべき大事業を、....