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先達
「先達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
階級には珍らしい、心の底にある苦労の反映が、もの思わしげな陰影を落していた。私は
先達《せんだっ》ても今日の通り、唯一色の黒の中に懶《ものう》い光を放っている、大....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
必ずしもこれらの都市が踏んだと同一な発達の径路によるということではない。否むしろ
先達《せんだつ》たる大都市が十年にして達しえた水準へ五年にして達しうるのが後進た....
「路上」より 著者:芥川竜之介
を受けて、仄《ほの》かに赤く透《す》いて見えた。俊助はそれを美しいと思った。
「
先達《せんだって》は、あれからすぐに御帰りになって。」
辰子は俊助の顔へ瞳を返....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
つぐ》んでしまった。が、さすがに若者は素知《そし》らぬ顔も出来ないと見えて、
「
先達《せんだって》あの勾玉《まがたま》を御預りしましたが――」と、ためらい勝ちに....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
突然宇左衛門をよびよせて、人払いの上、陰気な顔をしながら、こんな事を云った。
「
先達《せんだって》、佐渡殿も云われた通り、この病体では、とても御奉公は覚束《おぼ....
「或る女」より 著者:有島武郎
雑鬧《ざっとう》もなく、時おり、同じ花かんざしを、女は髪に男は襟《えり》にさして
先達《せんだつ》らしいのが紫の小旗《こばた》を持った、遠い所から春を逐《お》って....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
それにたよることを最上無二の方法であるとさえ信じていた。学者も思想家も、労働者の
先達であり、指導者であるとの誇らしげな無内容な態度から、多少の覚醒はしだしてきて....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、と抜く。 「時に、いかがでごわりまするな、御令室御病気は。御勝れ遊ばさん事は、
先達ての折も伺いましてごわりましてな。河野でも承り及んで、英吉君の母なども大きに....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、もう御廊下まで。(公子のさしずにより、姿見に錦の蔽を掛け、闥に入る。) 美女。
先達の女房に、片手、手を曳かれて登場。姿を粛に、深く差俯向き、面影やややつれたれ....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
として口をきけ。 初の烏 真に申訳のございません、飛んだ失礼をいたしました。……
先達って、奥様がお好みのお催しで、お邸に園遊会の仮装がございました時、私がいたし....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
拡げて、どこまでもその暗い影を畝らせる。 月は、その上にかかっているのに。……
先達の仁右衛門は、早やその樹立の、余波の夜に肩を入れた。が、見た目のさしわたしに....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の提唱する所を受け容れることのできるのは、ホンの少数の先覚者――つまり一般民衆の
先達として、指導者の位置に就くべき、少数の先駆者のみに限られる。一体いずれの時代....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
になったK君の夫人は第二の僕を帝劇の廊下に見かけていた。(僕は突然K君の夫人に「
先達はつい御挨拶もしませんで」と言われ、当惑したことを覚えている)それからもう故....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
「済みません、分ってます、分ってます。しかもこういう事をはじめて聞きましたのが、
先達てお嬢さんが口惜がっておいでなすった、根岸の鴨川一件だ。鼻元思案のお前ばしり....
「活人形」より 著者:泉鏡花
このとおり、それ見たかといわぬばかり。あわれ銀平が悪智慧に欺むかれて、いそいそと
先達して、婦人を寝ませおきたる室へ、手燭を取って案内せり。 前には八蔵|驚破と....